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日本代表が今季2戦目。先発7名交代+αの意図は?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
今回ゲーム主将として先発する姫野(写真:松尾/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表は7月15日、熊本・えがお健康スタジアムでオールブラックス・フィフティーンと対戦。13日、今度の試合の出場メンバーを発表した。顔ぶれは以下の通り。

1,稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/6/2・45 ●

2,堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…180・104・1986/1/21・68

3,具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)…183・117・1994/7/20・21

4,ジェームス・ムーア(浦安D-Rocks)…195・110・1993/6/11・13

5,アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)…195・118・1994/12/7・0 ★

6,ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…195・110・1994/10/13・12

7,福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・101・1999/9/28・0 ★

8,姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ) …187・108・1994/7/27・25 ◎

9,齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)…165・73・1997/8/26・11

10,李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)…176・85・2001/1/13・6 ●

11,セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)…181・93・1992/6/9・2 ★

12,中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)…182・92・1991/6/3・33 ●

13,ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…187・102・1997/5/2・10

14,ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)…177・95・1994/4/12・0 ★

15,松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)…178・88・1993/2/26・47

16,坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…180・104・1993/6/21・33  ●◎

17,クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/10/29・9

18,ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…187・115・1989/5/7・23 ●

19,ヘル ウヴェ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…193・120・1990/7/12・16 ●

20,リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)…189・113・1988/10/7・78

21,流大(東京サントリーサンゴリアス)…166・75・1992/9/4・30

22,松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…181・92・1994/5/3・29

23,長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…179・90・1999/11/25・0 ★

◎=共同主将

●=今年初のメンバー入り

★=昨年の代表活動に不参加も、初戦(詳細下記)に出場

 8日にはJAPAN XV名義で同じ相手に挑み、6―38で敗れている。当日はノンキャップ5名をはじめ、昨年の代表活動に参加していなかったメンバーを数多く起用。今回もその一部を残しながら、稲垣啓太、中村亮土ら常連組をメンバーに戻した。先発は7名、入れ替わった。

 前回、リーチ マイケルと流大が務めた共同主将は、初先発の姫野和樹と昨季の主将だった坂手淳史が担う。

 メンバー発表を受け、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが会見。意図、意気込みを語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——初戦を振り返って。

「ディフェンスには満足しています。ただ、アタックでよくなかった。ターンオーバーされたり、ミスをしたり。奪ったボールをすぐに失うこともあった。今週はしっかりポジショニングにつくことが大事。前回はポジションをスキャンできず、パニックになり、ボールを失った。アタックで自信をつけるのが重要。そこがジャパンの強みです。今週はブラウニー(トニー・ブラウンアシスタントコーチ)が強みを活かせるような練習をしてきている。今週はいい試合になる」

——初戦で起用した、新戦力にあたる選手の多くを今回もメンバーに入れています。

「(初戦は)多少、新たな選手が入り、タフな試合になりました。ただ、アマト・ファカタヴァはリーグワン時と異なるポジションをしているにもかかわらず素晴らしいプレーをしてくれた(普段はフランカーで今回はロック)。この強度の試合で引き続き彼を見たい。福井翔大も然りです。

 もうひとり、先週のメンバーに入っていなかった李承信。彼らにチャンスを与えることで、しっかりワールドカップまで選手を見ていける」

——今回のスタンドオフの選考経緯。またワールドカップへ向けては、このポジションの選手をどのような観点で精査していくのでしょうか。

「10番(スタンドオフ)はいま、3人いる現状。山中亮平は15番(フルバック)ですが10番もカバーできる。そのスキル、ポテンシャルもある。

 ワールドカップへは限られた人数しか参加できない(33名)。しっかりジャパンのプレーができて、コントロールできる選手を選んでいきたい。先週は松田力也と小倉順平を(それぞれ先発、リザーブで)使った。今回は李に機会を与える。この3人にチャンスを与えています」

——李選手について。

「キックにいいものを持っている。暑い天候下、それは重要。アタックももちろん大事ですが、ゲームのなかで(蹴るか攻めるかの)バランスをとるのが大事。過去、彼はビッグゲームに出てきている。まだ若いが、日本代表の大きな試合に出続けている。彼はタフな選手。そういった部分を出してくれれば」

——昨季まで主力格でありながら今年出番のないワーナー・ディアンズ選手、シオサイア・フィフィタ選手の状況は。

「ワーナーとサイアは2人とも怪我をしている。ワーナーは肩で、サイアは股関節でした。順調にいけば、来週のセレクションには戻ってきます」

——37歳の堀江翔太選手が初先発するなど、ベテラン選手の合流も見られます。初戦で見られた連携面の課題について、改善の手応えは。

「初戦では新しい選手がいて、経験者がいなかったことは事実です。気温も暑かったですし、ハーフタイムに静かになった部分もあります。経験者を入れることで、コミュニケーションがよくなる。稲垣啓太、姫野和樹、齋藤直人(こちらは前回も先発)、中村亮土…。彼らがいることで(プレー中の)コミュニケーションが上がる。彼らもずっとラグビーをやり続けているわけではないですが、日本代表最初の試合できちんとコミュニケーションを取ってくれたら」

——中村選手は練習時、アイシングをしていましたが。

「練習で膝をぶつけただけ。土曜の試合には全く問題ない。彼がチームに入ると、チームに自信が生まれる。コミュニケーションがいい。彼自身にもスキルがあるし、タフ。ワークレートもあるので、パフォーマンスを出せる」

——姫野選手は、初めて代表で主将を務めます。

「和樹には感心しています。選手としてもいいプレーをするし、安定感がある。それがリーダーにとって大事。彼は(ニュージーランドのハイランダーズに入って)スーパーラグビーでも経験をしていて、所属するトヨタヴェルブリッツでも主将をしています。代表の主将としての活躍を楽しみにしています。今週、彼はチームに『情熱を持ってやっていく』ことについて話しています。期待しています」

——リザーブにリーチ マイケル選手がいます。試合終盤にも経験者を配する狙いがあるのでしょうか。

「今週はリーダーズグループには入っていません。リーダーになると他のことに気を遣わなくてはならない、タフな部分があります。今週は、ラグビーに集中してもらいたいということで。昨季主将だった坂手淳史がいます(リザーブで共同主将)。リーチには、ブラインドフランカーとしてパフォーマンスを出すことに集中して欲しい」

——チームの名義がJAPAN XVから日本代表に変わりましたが。

「チームでも話しています。先週のパフォーマンスがベストでなかった話もしています。今週はメンバーに経験者が多く、パフォーマンスを上げていかなくてはいけないことを理解しています。ワールドカップでピークを迎えることを考えています。ですので、オールブラックス・フィフティーンと戦えるのはいい機会です。JAPAN XVと日本代表。この違いによって、異なる感情がわきます。ただ最終的には、私の仕事は変わらない。パフォーマンスを上げ、チームをまとめ、最終的にワールドカップで勝つことです」

 この時期の狙いは、本番でのメンバー入りが待たれる選手を強化しながら、チーム全体に目指すスタイルを定着させることか。前回に続き、今回も試合結果ではなくプロセスが注目される。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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