不祥事を隠そうとするほど逆に拡散するインターネット時代
先月9日、ざるうどんに使用している竹すだれの裏側がカビだらけだったとして、『丸亀製麺』を運営する(株)トリドールがお詫びを発表しました。
お詫び - 株式会社トリドール(※PDF)
しかし、この“カビすだれ”が発覚したのはお詫びが発表されるよりも1ヶ月前の4月7日。被害にあったお客が『Facebook』で翌8日に写真付きで公表し、それをインターネットメディアの『GIGAZINE』が5月9日に拾い上げたことから一気にカビすだれのことが拡散しました。
丸亀製麺でざるうどんの竹すだれ部分の裏側がカビだらけだったことが発覚、公式に謝罪 - GIGAZINE(2013年05月09日)
当初トリドール側はFacebook上のクレーム対応のみでこのことを隠していましたが、GIGAZINEの報道によりカビすだれの情報が一気に拡散。上記のお詫びを出す事態となってしまったわけです。
丸1ヶ月、ざるうどんの竹すだれにカビが生えていたことを消費者に対して公表していなかったことになります。
この件については共同通信が追加取材を行っており、問題の店舗以外にも2店舗で各1枚ずつカビが発生したざるが見つかったとのことです。
そして約1ヶ月後の今日、トリドールが今度はお詫び文書をこっそり削除していることが発覚しました。
丸亀製麺がカビうどんのお詫び文をこっそり削除し隠蔽開始:ハムスター速報(2013年06月07日)
「丸亀製麺」ざるうどんの「すだれカビ問題」、公式サイトで”ようやく”謝罪(2013年05月10日)
↓現在のニュースリリース
ニュースリリース一覧|投資家情報|株式会社トリドール(2013年05月07日)
5月9日にあるはずの“お詫び”が、一覧からは見えないようになっています。
もしもトリドールがお詫びを隠さなければ、1ヶ月後の今日、このようにインターネット上で騒がれることはなかったでしょう。
不祥事は、どんな企業でも起きうるものです。人々は時間が経てばそのことを忘れてしまいますが、“そのときどんな対応をしたか”はべつの不祥事が起きるたびに思い出されます。
今回、丸亀製麺を運営するトリドールは丸1ヶ月ものあいだ不祥事を隠し、そしてその1ヶ月後に今度はお詫びを隠すという一番やってはいけないことをしました。その行為は多くの消費者に対して、“トリドールがどんな企業か”を明確なメッセージを持って伝えたことでしょう。
トリドールは今後“悪い例”として、少なくとも数年のあいだはどこかで似たような不祥事が起きるたびにインターネットで笑いものにされます。すべて、不祥事を隠そうとしたために起きたことです。隠さなければ、ここまで広まることはありませんでした。
企業の広報担当者の方、隠す行為は絶対にやめましょう。それとも、日本中のネットユーザーから隠しきれるとお思いですか?