Yahoo!ニュース

ポイントで通信料金が支払えるau WALLETの狙い 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.071前編

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

石川 温の「スマホ業界新聞」

2014/02/15(vol.071)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《目次》

1.KDDIが3M戦略第3弾「au WALLET」を5月にスタート

━━田中プロ「ポイントが通信料支払いに使えるってウケませんかね?」

2. NTTドコモが愛犬向けサービス「ペットフィット」を開始

━━プリペイド型で販路拡大を狙うモジュール端末

3.NTTドコモを縛る電気通信事業法30条3項

━━不可解なアレは、これが原因だったのか

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.KDDIが3M戦略第3弾「au WALLET」を5月にスタート

━━田中プロ「ポイントが通信料支払いに使えるってウケませんかね?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2月13日、KDDIは3M戦略第3弾となる「au WALLET」を発表した。電子マネーとポイントサービスが一体化し、様々な加盟店で使えるようになるというものだ。マスターカードの仕組みにより、世界3000万店舗以上で利用可能で、auのポイントで携帯電話の利用料を支払うといったこともできるという。会見後には田中孝司社長の囲みが行われた。

━━今回のコンセプト、おサイフケータイのサービス開始当時に良く聞かれた話だが、振り返るとおサイフケータイは実績を残せなかったといえるのか。

田中社長

「おサイフケータイは、おサイフケータイでメリットはあると思う。やっぱりポイントのところは意外と活用されていない。今回、一番大きいのは電子マネーがあり、しかも、ポイントもセットで、1回でバリューチェーンが回るところだ。こういうのはたぶん初めてだと思う」

━━それが総括的にできるというのがメリットなのか。

田中社長

「電子マネーカードでポイントもセットになって、携帯の電話料金まで支払えるサービスって意外とない。他社もやっていない。それも使える。しかも、どこでも貯まるというのは地味なように見えるかも知れないが、結構、お客さんの心を打つのではないかと思っている」

(★ KDDI、ポイントの引当金が800億円もあるとのこと。これがどれだけ使われるかが注目かと)

━━海外での利用はどうなるのか。

田中社長

「マスターカードの世界3600万店、海外でもポイントがたまる。実際に海外で使うかどうかは知りませんよ」

(★ 海外でカードを盗まれても、アプリからすぐに利用停止ができるなら、便利だな)

━━ベースになっているのは、海外でよく売られているチャージ型のクレジットカードなのか。

田中社長

「具体的にものを見られるとわかると思うのですけれど、クレジットカードではないマスターカードみたいなもの。いまの言い方、悪いかな。いまの誤解ある? お金は入っていないので、それをチャージできるようにしてある。それは、ウェブマネーのチャージシステムを使って、ケータイから1000円とか、月極の携帯電話の請求に乗ってくる」

━━利用制限額はあるのか。

田中社長

「それはこれから決めていくことになる。例えば15歳だったら2000円とか、設定することになるのだと思う。そういうことを詳細に決めて、開始前に発表したい」

(★ ポイントで電話代が支払えるなら、結構、使ってしまうそう。限度額は高めにできるといいな)

━━auが最初というわけではなく、マスターカードのシステムにauが載るという理解でいいのか。

田中社長

「マスターカードだけではなくて、もうひとつウェブマネーをくっつけて、トータルとして新しいサービスを作った」

━━全く新しい取り組みと言うことか。

田中社長

(担当者に向かって)「どう?」

担当者

「サーバー型の電子マネーを利用して、バリューを管理する形でやっている、プリペイドカードとしては初めてです」

━━海外に行って「これなに?」と言われて使えないことはないのか。

担当者

「カードのデザインはクレジットカードに似ております」

田中社長

「デザインは、これから発表するのですが、マスターカードのマークがついております。良く見るとクレジットカードぽくない」

(★ 店舗側はクレジットカードとして処理するのではないのかな)

━━カード番号はつくのか。ウェブ上でカード番号を入力して使えるのか。

担当者

「できます。その通りです」

━━アメリカなどで売られているVISAの番号が入っているギフトカードに近いのか。

担当者

「半分近いかと。リチャージャブルできるという点で違いがある」

━━ドコモのDCMXとはどう違うのか。

田中社長

「かなり違っていると思う。iDはクレジットカードでしょ、DCMXは2種類あって、ミニとついていないもの。向こうはポイントはついてないよな」

担当者

「(DCMXは)月額で利用できる金額が決められていて、リチャージャブルではない」

田中社長

「相当違う」

━━なんで、ドコモ(のiD、DCMX)は鳴かず飛ばずなんでしょうか。

この記事は有料です。
石川 温の「スマホ業界新聞」のバックナンバーをお申し込みください。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

石川温の最近の記事