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サンウルブズ、スーパーラグビーから脱退。38歳トンプソン ルークの反応は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
笑顔で応じるトンプソン。

 4月16日に38歳となったトンプソン ルークは19日、東京・秩父宮ラグビー場でスーパーラグビー(国際リーグ)の第10節に挑む。日本のサンウルブズの一員として、優勝経験のあるハリケーンズとぶつかる。

 試合前日、ニュージーランド出身で日本国籍を持つトンプソンは日本語で共同取材に応じた。昨今のラグビー界のニュースや潮流について質問が及んだが、「自分の仕事に集中」と強調した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ハリケーンズ戦へ。

「ハリケーンズは2016年に優勝している強いチーム。自分は、いつも通り。自分の仕事をやる。今週のフォーカスはディフェンス、前回のレベルズ戦(15―42で敗戦)で(姿勢が)高すぎたボールキャリー。相手のセンター、バックローは強い。その勢いを止めて、俺たちのスタイルへ。ディフェンスはめっちゃ、大事。

 それと、フォワード全体で意識するのはラインアウト。レベルズ戦ではたくさんロストしたから。大きい問題じゃなく、小さいミスなど(が尾を引いていた)。最初に細かいミスがあって、その後、皆、パニックにという悪いサイクルだった。(今週は)私たちのベーシックシステム、スキル、自分たちのタイミングに集中する」

――サンウルブズは2020年シーズン限りでスーパーラグビーから除外される。

「それは俺たち、コントロールできない。仕事に集中。サンウルブズのファンの皆さんの雰囲気は、素晴らしい! だから、ファンのためにベストを出す。来週、再来週、来年は、(いまは)関係ない。フォーカスはハリケーンズ戦と、ファンのためのプレー」

――コンディションは。

「絶好調。まだ若いから大丈夫」

――ニュージーランドはカンタベリー出身のトンプソン選手にとって、同国ウェリントンのハリケーンズにはどんな思いがあるか。

「ライバルね。(相手の)皆は、カンタベリーが嫌いだから、しょうがないね(一同、笑い)。でも、僕は、ニュージーランドよりも長く日本で(プロとして)ラグビーをやっているから」

――2019年のワールドカップ日本大会に向け、トンプソン選手の日本代表復帰も期待されています。同代表候補はサンウルブズとウルフパックに分かれて対外試合をおこなっており、両者間での人的移動も多いです。ウルフパックはサンウルブズのハリケーンズ戦の翌日に千葉でハリケーンズBと戦います。

「素晴らしい。ウルフパックも(サンウルブズと)システムが同じ。大きなチェンジはない。日本の選手は、僕よりかは若いけど、いいね。サンウルブズに新しい人が来るときも、新しいエナジーが来る。全然、問題ない。

 どっちも、日本代表のしたいプレーをする。だから、(ウルフパックも)応援する。(ワールドカップ時のメンバー入りに向けては)自分の仕事をちゃんとやる。その後のことはコントロールできない。(ワールドカップへは)行きたいけど、それは僕のコントロールすることじゃない。いまはサンウルブズに集中。サンウルブズの文化は、いい感じ。プレーは面白い。それに集中」

 振り返れば、日本代表として出場したワールドカップイングランド大会前の南アフリカ代表戦前も「自分の仕事に集中。タックルとセットピース。相手は、関係ない」と宣言。結果、歴史的な白星をもぎ取った。スーパーラグビー除外への「それは俺たち、コントロールできない。仕事に集中」も本心だろう。もちろん、選手がそう話しているからといって今度の問題がご破算になるわけではない。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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