小学生が一番楽しいと感じるのはテレビゲーム・携帯ゲームをしている時(2020年公開版)
自分の好きなこと、メリットになること、目標を果たすために必要なこと、色々と理由はあるが、何か物事をしている時に楽しさを覚えると、つい夢中になり、時間が過ぎるのを忘れてしまうもの。そのような楽しさを感じる行為について小学生の実情を、学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から確認する。
次に示すのは小学生において何をしている時が一番楽しいかについて、3つまでの複数回答で答えてもらったもの。一番を尋ねているのに3つまでの複数回答とは矛盾しているようにも思われるが、例えば一つに絞れない・両方とも好きというケースなどを想定したのだろう。
もっとも多くの小学生が答えたのはテレビゲーム・携帯ゲームの34.1%。要は据置型・携帯型を問わず、デジタル系ゲーム機で遊んでいる時が一番楽しいというもの。小学生が回答者だからというのもあり、高校生ぐらいになるとむしろこちらの方が多くなるのではと思われるスマホゲームは12.8%に留まっている。
次いで友達とおしゃべりが27.0%、外遊びが26.7%でほぼ同率。一人での外遊びも想定できるが、多分に外遊びをしている時は友達とのおしゃべりも兼ねているので(逆に友達とおしゃべりのみで外遊びではないことは十分ありうる)、両者は似たような値で、かつ友達とおしゃべりの方が高い値となったのだろう。
テレビは19.8%。少なくとも小学生にとって、テレビが一番楽しいとする意見はゲームや友達とのおしゃべりや外遊びよりも少ないことになる。次いで家族と遊ぶ、スポーツ、おやつ、読書(漫画・雑誌含む)が続く。スマホゲームは12.8%、インターネットは11.4%どまり。SNSにいたっては0.4%しかない。
これを上位陣について属性別に見たのが次のグラフ。
テレビゲーム・携帯ゲームは圧倒的に女子よりも男子が多く、男子だけなら5割を超える。学年別では小学5年生までは増加を示すが、そこがピークで小学6年生になるとやや落ちる。スマホゲームにシフトする人が出てくるのか、あるいは忙しくなるからなのか。友達とおしゃべりは逆に女史の方が男子よりもはるかに多く、2倍以上の差をつけている。学年別ではややでこぼこがあるが、おおよそ高学年ほど高い値を示しているのが興味深い。逆に外遊びは低学年ほど高い値で、高学年になると値は落ちていく。
テレビは特段属性別の傾向は見出しがたい。敢えて言えば高学年ほど値が落ちるように見えることか。しかしそれでも差はそれほど大きくない。
家族と遊ぶのは男子よりも女子、高学年よりも低学年の方が値は高い。保護者と遊ぶのか、兄弟姉妹と遊ぶのかまでは資料からは判断ができないものの、低学年の方が高いことから、保護者との遊びが多分ではないかと思われる。あるいは年上の兄妹に付き添って遊んでもらうというケースか。
小学生が一番楽しいと感じる行動はテレビゲーム・携帯ゲーム。ただし女子に限ると友達とおしゃべりがトップとなり、小学1~2年生では外遊びが一番となる。納得のいく結果には違いない。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
2019年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として、保護者付き添いの下で小学生本人に答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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