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子供に一番人気のキャラは「アンパンマン」

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ アンパンマンが一番人気

アンパンマンがトップに返り咲く

子供が好むアニメや漫画、ゲームのキャラクタは、その時代の流行りすたりに大きな影響を受け、またその人気ぶりは多方面に影響を与え得る。バンダイが2017年6月に発表した調査「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」の結果(※)から、子供達の人気キャラの実情を探る。

調査対象母集団全体における、もっとも好きなキャラクター(シリーズ単位、以下同)の人気投票の結果が次のグラフ。2015年・2016年とトップを確保した「妖怪ウォッチ」が、今年は第3位にまで後退している。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2017年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2017年)
↑ (参考)もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2016年)
↑ (参考)もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2016年)

調査結果の報告書によれば2012年から調査方法を変更しているが、2002年の調査結果以来13年連続でトップについていた「それいけ!アンパンマン」を抜き、2015年でははじめて「妖怪ウォッチ」が最上位についていた。そして前年の2016年でも「妖怪ウォッチ」がトップを維持し、2年連続の王座を確保。しかしながら今年では「それいけ!アンパンマン」がトップに返り咲きを果たした。

「それいけ!アンパンマン」を選んだ理由について報告書では「いろいろなキャラクターがストーリー中に出てきて楽しい」「おもちゃの種類が多く、なじみがあるから」との話が寄せられている。その上で「子供が楽しめ、なじみがあるなどの保護者からの支持も得られることが上位維持の要因である」と分析しており、納得は行く。設定に無理のない、そして積極的なメディア展開が功を奏している。また昨年の報告書では「兄弟(姉妹)と一緒に観ていたから」「小さい頃から好きだから」のように継続展開のメリットが活かされていると解釈できるコメントがあり、これもまた王者となる要因といえる。

「ドラえもん」は1996年のアンケート開始以来初めてのトップ3入り。「名探偵コナン」も昨年はトップン圏外だったのが第6位となり、はじめてのトップ10入り。さらに「しまじろう」のような往年のキャラクターが顔を見せている。それぞれ

「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」…2017年4月15日公開

「のび太の南極カチコチ大冒険」…2017年3月4日公開

「しまじろうとにじのオアシス」…2017年3月10日公開

のように、調査の直前に劇場版映画が公開されており、この映画(の出来栄え)が投票結果に影響した可能性は多分にある。

男女の好みのキャラの差異

これを男女別に、上位陣を確認したのが次のグラフ。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女別(2017年))
↑ もっとも好きなキャラクター(男女別(2017年))

「ドラえもん」は男子ではトップだが女子では上位5位には入らず、一方で「それいけ!アンパンマン」は男子で第2位、女子では第2位の「プリキュアシリーズ」に大きく差をつけてトップとなっている。これが総合でトップについた原因のようだ。

「妖怪ウォッチ」の熱は今でも男子の間ではホットのままだが、女子界隈では醒めてしまっている。他方、2015年に大きく躍進した「アナと雪の女王」だが、女子ではいまだに第3位に位置し、女子の間で根強い人気を有しているのが分かる。

男女別の上位陣の動向を見ると、共通する作品はともかく、個々の性別でのみ上位に位置する作品では男女の趣向の違いが大きく出ており、男子はカッコよさが見えるもの、女子はカワイイ系・あこがれ系のものが高い人気を集めているのが再確認できる。他方、「それいけ!アンパンマン」は男女とも上位にあるが、男女それぞれが求める要素を欠けることなく有していると解釈すれば、道理は通る。特に上記でも触れた、同作品の魅力として挙げられるポイント「兄弟(姉妹)と一緒に観ていたから」、見方を変えれば男女・年齢の別なく楽しめる要素が盛り沢山であるのが大きいのかもしれない。

やや余談になるが、良い機会でもあるので。2013年以降において、同時期に行われた同様調査結果から、上位10位を抽出し、今回の10位と並べたのが次のグラフ。11位以下はデータが確認できないので、その部分は空欄となる。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2013~2017年、各年上位10位まで)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2013~2017年、各年上位10位まで)

今件はあくまで「もっとも」好きなキャラクターで、次に好きな、三番目ぐらいに好きなキャラクターは反映されていない。空欄の年があっても、そのキャラクターの人気がまったくなくなったわけでは無い。相対的にもっとも好かれている対象として、順位が下がり、公開値の範囲から外れたまで。

5年間の限りではやはり2015年における「妖怪ウォッチ」の加熱ぶりが目に留まる。ここまで「もっとも好き」の意見を集約できる、魅力ある対象として高く評価された結果といえよう。一方で「それゆけ!アンパンマン」や「ドラえもん」「ポケットモンスター」「プリキュアシリーズ」「きかんしゃトーマスとなかまたち」「仮面ライダーシリーズ」の安定した人気ぶりも改めて確認できるというものだ。

■関連記事:

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「妖怪ウォッチ」はなぜ子供達に受け入れられたのか(下)…子供目線での内容と「妖怪」編

※お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査

2017年5月12日から14日にかけて、0歳から12歳の子供を持つ人(子供と一緒に回答できる人)にインターネット経由で「子供の意見を入力できるようような状況で」答えてもらったもので、有効回答数は800人。子供の年齢(0~2歳・3~5歳・6~8歳・9~12歳)と性別で均等割り当て。調査協力はクロス・マーケティング。同様の調査は毎年実施しているが、2012年以前は様式が異なるため比較対象にはならない。また2013年から2016年までは長子のみが対象だったが、2017年からは長子に限定せずに回答を精査対象としている。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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