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【膣と直腸が貫通!直腸膣瘻闘病記④】膣に穴が開いた!前から出てきた汚物

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者
直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう:rectovaginal fistula)

私は長男を出産したときに直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう:rectovaginal fistula)という、出産にともなう後遺症を患いました。

現代では、母子共に安全に生まれてくるのが当たり前になりつつあります。

しかし、実際には命の生まれ出る瞬間に必ずしも五体満足で経過するわけではありません。

また、子どもが無事でも、母体がダメージを受けてしまうこともあるでしょう。

私もその一人。出産直後にはなんともなくても、出産して数日たった後に「直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう:rectovaginal fistula)」が発覚しました。

前回は出産後に異常な痛みはあったものの、周りもまだまだ痛がっている時期でした様子をお伝えしました。

今回は第4話。

出産後3日目に直腸と膣が貫通したことに気が付いたお話です。

1.産後2-3日目。周りのママさんたちのと違いが明らかに…

周りは座って談笑できるまでに回復
周りは座って談笑できるまでに回復

産後2日目にもなってくると「痛い、痛い」と言いつつもみんな歩行のスピードは徐々に上がっており、痛みをかばうようにして腰を曲げて歩いていた様子もだんだんと背筋を伸ばし スタスタと歩くようになってきます。

しかしながらあい変わらず私だけは、てすりにしがみつきながらヨタヨタと歩いている状態でした。 周りから見ると痛みにものすごく弱いヘタレママに見えていたでしょう。

円座があっても座ることもできず、授乳時間が修行の時間のように感じていました。 かわいいはずのわが子とのふれあいが、座っていると苦痛で仕方がなかったのです。

2.産後の悪露がおなら臭い

初めての出産だったので直腸膣瘻のにおいに気が付けない
初めての出産だったので直腸膣瘻のにおいに気が付けない

産後2.3日になってくると別の異変も感じていました。 出産後は「悪露」という子宮内に残っている血液や羊水などの残渣物の排泄が始まるのですが。 そのにおいが明らかにおなら臭かったのです。

基本は血液や体液であるはずなので、生臭いにおいだと思うのですが、それが異様に便臭がするんですね。

出産自体が初めてのことだったので、違和感を感じつつも「悪露とはこういうにおいなのかもしれない」と思って過ごしていました。

3.便秘のための浣腸で違和感MAXに…

前から漏れ出た浣腸液
前から漏れ出た浣腸液

産後3日。 もともと快便で1日1回排便があった私ですが、 出産後3日目までなんと排便なし。 人生で便秘になったことなんて一度もなかった私にとって、3日間も排泄がなかったのは苦痛で仕方がありませんでした。

担当の看護師さんに事情を話して、グリセリン浣腸というのをしてもらうことになりました。

まだまだ悪露も多い時期で、おまたに当てているパッド も極厚だったので自分のベッド上で浣腸をしてもらうことに…。

浣腸をしてもらった瞬間…

まるで生理の経血がドロッと膣から出てくるような違和感を感じました。

「???」

と思いつつも…、とりあえずトイレで排泄。

すっきりした感覚でさっぱりして個室から出てくると…

担当の看護師さんが明らかに不安げな様子で

「繁さん…、ちょっと先生の診察受けてもらっていいですか?」

と、私に訴えてきました。

4.急遽の診察医師のつぶやきに目の前が真っ暗に…

産婦人科歴20年以上の医師でも見たことが無い直腸膣瘻
産婦人科歴20年以上の医師でも見たことが無い直腸膣瘻

この日は確か、土曜日だったことを記憶しています。

土曜日なので普段は医師がいないのですが急遽診察を受けることになりました。

個室の診察室に通され、産婦人科用の診察台に上がり膣の内部を診察したところ、医師の小さなつぶやきがカーテンの向こう側から聞こえてきたのです。

「瘻孔できてる…。」

医療従事者として手術室看護師として働いてきた私は、この一言で自分の体の状態を悟りました。

悪露からかおる便臭のようなにおい

・歩くたびに振動により増強される陰部の痛み
・座った時の荷重による痛みの増強

直腸と膣をつなぐ瘻孔ができているということを認識したのです

まとめ

ショックのあまり言葉が出ない
ショックのあまり言葉が出ない

診察代の上で医師のつぶやきを聞き取った瞬間、今までの周りのママさんや自分の体の調子の違和感がクリアになりました。

それと反比例して瘻孔ができていることによる、今後の不安や自分にだけ生じている異変に対し不安が強く襲ってきました。

その後医師から病状説明や今後の治療方針などについて説明を受けましたが、ショックすぎて全く頭に入ってきませんでした。

急遽主人にも連絡が入り、 医師から再度説明が入りました。主人が到着するころにはいくらか落ち着いてきて、再度自分の病状を確認することができました。

直腸膣ろうは非常に珍しい病気であること
専門科に転院して治療を受ける必要があること

などを簡潔に話されました。いずれにしても状況が芳しくないので、専門の診療科に転院し治療を受けることになったのです。

第5話に続く

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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