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中学2年生で平均週1.31日…子供達の塾通いの実情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 学校の授業の補完や受験対策の勉強。塾に通う目的は多様だが。(ペイレスイメージズ/アフロ)

中学生までは学年とともに漸増する塾通い

学校の授業以外での勉強の機会として用意されているのが塾。子供達のうち塾通いをしているのはどれほどいるのか、どれだけの頻度で通っているのか。子供達の塾通いの実情を、国立青少年教育振興機構が2018年8月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(※)の報告書の内容から確認する。

次に示すのは塾(勉強以外の習い事は除く)へどれほどの頻度で通っているかを尋ねた結果。塾通いをしていない子供は「通わず」となる。

↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(2016年度)
↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(2016年度)
↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(概算平均、日数)(2016年度)
↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(概算平均、日数)(2016年度)

小学1年生で塾通いをしている人は3割近く。これが学年が上がるに連れて少しずつ割合は増えていき、小学6年生になると4割強が塾に通うようになる。頻度も少しずつ上昇、1割強は週3日以上の塾通いとなる。中学2年生では実に過半数が塾通い、3日以上は2割を超える。概算平均では週に1.31日、塾に通っている。

ところが高校2年生になると塾通い率は激減。3/4強が「塾には通っていない」との回答が示される。高校生には受験勉強のために塾通いに励む姿がイメージされるが、2割強でしかないのは意外といえば意外。高校3年生になってから塾通いをする可能性もあるが、残念ながら今調査ではその確認はできない。恐らく現役高校生の塾通いは少数派なのだろう。

塾通いは増えているのだろうか

経年変化で塾通いの状況に動きはあるのだろうか。

↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(概算平均、日数)
↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(概算平均、日数)
↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(「通わず」の割合)
↑ 1週間のうちで塾がある日はどれぐらいか(「通わず」の割合)

過去の値が取得できるのは今回分も含めて7回。その限りでは2009年度を底にして少しずつ塾のある日が増えている動きが確認できる。また「通わず」の割合も2009年度を天井に少しずつ減少している。つまり、塾通いは増えていると見ることができる。

高校2年生の「学習塾に通う人が少数」が気になるところではあるが、一方で今調査の別項目で確認できる「学校の授業や学習塾以外に勉強すること」、つまり自主的な自宅や図書館などにおける学習機会は、65.9%が「ある」と回答している(「まったく無い」の回答が34.1%なので、そこから逆算)。

少なくとも高校2年生は学校の授業以外の勉強をあまりしないのではなく、自宅で自主的な勉強に励んでいるようだ。

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※青少年の体験活動等に関する実態調査

直近年度分は2017年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年生から6年生まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で行われたもので、有効回答数は学校数が879校、子供の回収数が18316件、保護者が15769件。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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