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台風など災害停電スマホ対策とバッテリーを長持ちさせるコツ

三上洋ITジャーナリスト
2016年に起きた熊本地震での避難所。スマホの充電に多くの人が殺到した(写真:つのだよしお/アフロ)

大型台風が近づいてきました。連絡・情報の命綱となるスマートフォンの準備をしてください。

災害時のスマホの敵は「停電」事前準備を

今までの災害ではスマホが使えなくなるトラブルが何度も起きました。原因の多くは「停電」です。停電が起きると、一定時間経ってからスマホの電波自体が止まってしまいます。またスマホの充電ができなくなるも大問題です。

事前の準備は以下の図の通りです。

台風・災害時のスマホの準備
台風・災害時のスマホの準備

モバイルバッテリー

まずはモバイルバッテリーを入手しておくこと。容量としては1万mAh(ミリアンペアアワー)以上あれば、スマホの2回から3回は充電できます。価格は2000円から4000円程度ですから、一人1個持っておくべきでしょう。ネット通販が間に合わない場合は、家電量販店で購入し、災害が起きる前にフル充電しておきましょう。

シガープラグ充電

こちらもマストと言えるもので、クルマのシガープラグからUSBを取り出せるアダプターです。ガソリンがある限りはスマホやUSB機器の充電ができますから、ぜひとも1つ購入しておいてください。ネット通販・カー用品店・家電量販店で入手できます。

乾電池式ラジオ

スマホは電波やバッテリーがなくなればアウト。やはり災害時には乾電池式ラジオが不可欠です。数千円で購入できますから予備の乾電池とともに購入してください。余裕があればワンセグのテレビも見れるラジオがあると便利です(ただし電池の保ちはよくないので注意)

安否情報登録の練習を

後述しますが、スマホの電波が止まってもいいように安否情報登録のために災害伝言板・災害伝言ダイヤルの練習をしておくとベターです。

災害時に起きること:停電→基地局電源終了で停波→スマホが利用不可に

地震・台風などの大規模災害時でのスマホの大敵は停電です。

停電が起きると携帯電話の電波を送信している基地局では、非常用電源に切り替わります。この非常用電源には限りがあり、短いと数時間、長くても1日から2日程度しかもちません。そうなると携帯電話の電波自体が止まり圏外になるのでスマホは使えなくなってしまうのです。

つまり「停電直後はスマホは使えるが、停電が長引くとLINEや電話も使えなくなる恐れがある」ということ。そのため停電が起きたらまずは親戚や友人に無事であることを伝えておくべきです。

●無事あることを伝える手段

・SNSやメッセンジャー

普段使っているSNSやメッセンジャーで無事あることをアナウンス。LINEならタイムライン、SNSではTwitter・Facebook・Instagramなど誰もが見られる場所に無事であることを投稿しておきましょう。

・災害伝言板と災害伝言ダイヤル

携帯電話の伝言板は各社とも共通で利用できます。いずれも電話番号の登録が必要です。

NTTドコモ災害伝言板  http://dengon.docomo.ne.jp/top.cgi

au災害伝言板  http://dengon.ezweb.ne.jp/

ソフトバンク災害伝言板  http://dengon.softbank.ne.jp/

災害伝言ダイヤル 171 https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/

・電話はおすすめできない

電話はおすすめできません。災害直後は通話が集中するため携帯電話会社が通話制限をかけることがあります。非常用電話を優先するためです。電話は極力使わず、上記の手段を使ってください。

スマホのバッテリーを長持ちさせるには

災害後の停電で困るのはスマホのバッテリーでしょう。停電が起きた後にバッテリーを長持ちさせるコツは、以前の記事「スマホのバッテリー節約テクと災害時スマホ利用法」にまとめていますが、改めて紹介しておきます。

停電時のスマホバッテリーを長持ちさせるコツ
停電時のスマホバッテリーを長持ちさせるコツ

●バッテリーを長持ちさせるコツ

・当たり前だが極力使わない

スマホの利用頻度をできるだけ少なくすること。特に動画・ゲームなどバッテリーを大きく消費するものは使わない。

・省電力・バッテリーセーバーモードに

スマホの省電力機能をオンに。iPhoneなら「低電力モード」Androidなら機種によりますが「バッテリーセーバー」を設定で有効にしてください。

・液晶画面をできるだけ暗くする

スマホでもっとも電池を使うのは画面です。画面をできるだけ暗くすることが長持ちさせる基本です。

・アプリの通知をオフに、ロック解除時間を短く

各種アプリの通知がオンだとその度に画面をつくためバッテリーを使ってしまいます。アプリの通知はほぼすべて切って、重要なLINEの通知などだけ生かしておきましょう。同様に画面が自動的に暗くなる画面ロックの解除時間を短くしておいてください。

。圏外になったら機内モード・Wi-Fiで

停電で電波が止まってしまったら、電池節約のために機内モードor電源オフにしておきましょう。圏外だとスマホはフルパワーで電波を出して基地局を探すため、電池が早くなくなってしまうからです。機内モードにして利用できるならWi-Fiを利用しましょう。

災害後は臨時基地局・00000JAPANなどが稼働する

災害から少し経つと、各携帯電話会社が臨時基地局を設置します。台風など事前に予想できる災害の場合は、全国の臨時基地局(ワゴン車など)が集合することもあります。ただしすべてのエリアで臨時基地局が有効になるわけではないので注意。停電が長引く場合は、どこに臨時基地局が来てスマホが使えるのか情報収集しましょう。

また被災地では無料の災害用Wi-Fi「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」が動きます。誰でもパスワード(暗号化キー)なしで使えるWi-Fiです。フリーWi-Fiがある避難所・役所など公共施設・駅周辺・コンビニ周辺などで利用できます。圏外になってしまうようなら00000JAPANが使える場所を探しましょう。

ただし00000JAPANは災害後には「自動接続」をオフにしてください。悪意のある人に利用されないためです。

スマホの災害対策は事前準備がすべてです。モバイルバッテリーとシガープラグ充電アダプターを必ず用意し、親戚や友人と連絡が取れる手段を決めておくことを勧めます。

ITジャーナリスト

セキュリティ・ネット事件・スマートフォン料金を専門とするITジャーナリスト。テレビ・ラジオ・雑誌などでの一般向け解説多数。読売オンライン「サイバー護身術」、アスキー「5分でわかる時事セキュリティ」などを連載。文教大学情報学部非常勤講師

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