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K-POPソロ歌手クォン・ウンビさんに記者会見で質問したら めっちゃいい人だった件

筆者撮影

8月2日に韓国でのK-POPショーケースを取材してきた。個人的には新型コロナのパンデミックが終わり、およそ3年ぶりの現地取材だった。

取材対象はクォン・ウンビ。

ご存じの通りYe-AとIZ*ONEの元メンバーで、2021年8月にWoolim Entertainmentからソロデビューを果たした。この日、新曲「The Flash」を引っさげてカムバックを果たした。

美しすぎる「韓国の新サマークイーン」クォン・ウンビ 当日の写真 本稿未掲載分はこちら<大量>

「The Flash」は、ギリシャ神話の人物ペルセポネをモチーフにして完成したポップダンスジャンルの曲。自由意志の「選択」というキーワードを現代的に再解釈した。サビ部分ではお互いの感情に夢中になる様子が歌われる。

本人は2022年10月発売の「UNDER WATER」が時間を置いて今年の3月にヒットするという経験をした。これについては「もともと夏に出ていればもっと聞かれただろうにという思いはありました」という。

また韓国では1か月ほど前にWATER BOMB(ファンと水鉄砲をかけあうイベント)でのセクシーな姿が大反響となった。もはや「レジェンド級」と言われており「WATERBOMBクイーン」としても注目を集めている。ブレイクし、新たな楽曲を発表する。そんな段階にあるようで、記者席が足りなくなるほどのメディアが訪れていた。

ショーケースはまず、MCを交えての冒頭のあいさつが行われた。

筆者撮影
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本人は新曲について「アンダーウォーターの時、扇子を(小道具として)使い、ファンの反応が良かった」と言い、「今回はどんなパフォーマンスが記憶に残るかを考えた末、私が今までやったことがないリボン(紐)を用意した。歌詞ではお互いに引き込まれる瞬間を表現しているので、リボンで『ちょっと意地悪』な感じを出した」と説明した。

続いて短めのフォトタイム

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MCとのアルバム紹介のトーク

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アルバム収録曲の披露

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公式MVの先行公開

そしてアルバムのタイトル曲「The Flash」の披露へと続いていった。

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最後に記者団との質疑応答の時間。ここは取材者側としても勝負どころ。わざわざ日本から行って質問もしないと「なんで行ったのか?」となる。いっぽうで韓国メディアの取材を邪魔しないように、慎重にやらなくてはならない。あくまでアウェーゲーム。とはいえ遠慮しすぎてもダメ。司会者に指名されない。真ん中の席に陣取って目立つように挙手しなければならない。

最初の質問が日本から、というのも避けたいところ。まずは挙手はせず、韓国記者とのやり取りを待った。

――カムバックおめでとうございます。夏には同じくカムバックする歌手も多く「サマーアルバム」と称する楽曲を発表する歌手も多いなか、クォン・ウンビさんだけの特有の魅力は何でしょうか。そして今回のミュージックビデオでは「演技が特に重要」とおっしゃいましたが、演技にもチャレンジする気持ちはありますか?

筆者撮影
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クォン・ウンビ:私だけの感性は、やはり多彩な色彩であるのではないかと思います。さきほど披露した収録曲(Beautiful Night)のようにバンドの音楽も、そして今、たった今ご紹介したタイトル曲「The Flash」もそうです。さまざまなジャンルを消化できる、そんな強みがあるのではないかと思います。なので、自分を「オールラウンダーアーティスト」と考えています。演技に挑戦する考えもお聞きいただきましたが、機会があれば演技分野にも挑戦したいと常に思っています。

次の質問。思い切って真ん中でちょっと手を振りながら挙手。司会者に指名された。

――日本のメディアのものです。

クォン・ウンビ:コンニチハ(日本語で言った。分からない人もいるからここではちょっと控えて…でも日本語で言った)。

――韓国語でお聞きします。日本でもクォン・ウンビさんへの関心は非常に高いです。一方、外国のファンというのは韓国語の歌詞をその場その場で理解するのが難しい。そういったファンが今回のタイトル曲「The Flash」のどんな部分を楽しめばいいでしょうか。アドバイスをお願いします。

クォン・ウンビ:サビ部分の「オーソ ワー ネーゲ」この3つの単語が非常に強い内容です(歌った。韓国のショーケースで幾度も質問してきたが、歌ってくれた人は初めて)。しかもそのパートは短いのでこの部分を私が今、ニホンゴ(韓国語で「ニホンゴ」と言った)で…翻訳機を使って調べてみます…(会場笑い)まあいずれにせよこの短いパートについては事務所サイドが翻訳してアップしていただければいいなと思います…

事務的作業にまで気を遣ってくれたK-POPアイドルは初めてだった。こちらも辞書で調べた。「オーソ ワー ネーゲ」は「さあ私のところへ来て」。

このあと、司会者がフォローを入れてくれた。

――いま質問された日本の記者の方はこういった点も知りたいようです。日本を含めた海外にもファンが多い。そういった方たちがステージを見たり、歌を聞いたりしたとき、どういった部分を楽しめばいいか。それは(韓国語が分かる)韓国のファンとは少し違ったポイントになるかもしれませんね。

クォン・ウンビ:ではもう一度申し上げます(回答のやり直しをしてくれたK-POPアイドルも初めて)。そのサビの部分を過ぎまして…フック部分に「In a flash」というフレーズが入っています。これは「ファンの皆様にもパッと光るフラシュを照らす」という意味も込めました。それと合わせて「ポンジョワ ネゲ I fall in love (Too fast)」という部分も…(司会者に向けて)…日本語にしてください。

司会者:全然わかりません…

クォン・ウンビ:私が記者さんのために必ず会社のほうにこの部分の歌詞を翻訳してアップしてもらえるようお願いしておきます。ご心配なく。翻訳内容もアップしておきますので。

二度も事務作業についての心配をしてくれたK-POPアイドルももちろん初めて…もはや感激。こちらでも調べた。「ボンジョ ワ ネゲ」は「降りかかってきて」というニュアンスだ。

現場ではなんと、司会者のほうからもう一つ日本に関することを掘り下げてくれた。

――最近は日本にもよく行かれているようですね。

クォン・ウンビ:まずは久しぶりに日本のファンの皆様にお会いして非常によかったです。日本では歌をご存じでないかたもいらっしゃるので、あいみょんさんの歌をカバーしてみました。一緒に楽しんでいただけるように準備したんですよ。実際に好んでいただけたようですごく胸がいっぱいになりました。

あと二人、韓国記者からの質問が入った。

本人は最近韓国で「新サマークイーン」と呼ばれることについて「本当に感謝している」といい、タイトル曲「The Flash」についても改めて「スカッとした清涼感のある夏らしい曲です」と楽曲をアピールした。

改めて、彼女が海外のファンのためにおススメする歌詞中の短いフレーズの意味は以下の通りです。

オーソ ワー ネーゲ=さあ私のところへ来て

In a flash=ファンのことを照らす、という意味も

「ボンジョワ ネゲ I fall in love (Too fast)」=私に降りかかってきて

ひとつ聞いて、三つも教えてくれるなんて。事務的作業の心配までしてくれるなんて。日本での思い出も話してくれるなんて。

最後にあまりにも美しく、優しいクォン・ウンビさんの当日の別カットを。

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(了)

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吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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