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G20での日銀総裁会見に注目か

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が日本時間の28日夜、ブラジルで開幕する。

 日本からは日銀の植田総裁と財務省の神田財務官が出席。鈴木財務大臣は国会対応のため参加を見送るそうである。

 会議では、ロシアのウクライナへの侵攻や、中東情勢とその海運への影響など、世界経済のリスクについて議論が行われる見通し(28日付NHK)。

 会議では日銀の植田総裁が日本の経済情勢などを説明し、閉幕後には記者会見が行われる予定となっている。3月18、19日に開催される日銀の金融政策決定会合を控え、植田総裁の発言内容も注目されよう。

 22日に衆議院予算委員会に出席した植田総裁は、今はデフレかインフレのどちらなのかと問われたのに対し、「消費者物価は去年までと同じような右上がりの動きが続くと予想している。そういう意味でデフレではなく、インフレの状態にあると考えている」と述べた。

 デフレではなく、インフレの状態にあると言い切ったこともあり、金融政策の正常化に向けた調整が入るのは時間の問題となりつつある。

 27日に発表された1月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は、前年同月比2.0%と上げ幅を縮小させてきた。しかし、これが予想通りの1.8%と日銀の目標値2%を割り込んでも、日銀の姿勢が変化することはなかったとみられる。

 そもそも2%を超える状況が1年10か月も続いている。また、今回の2%という数値は政府の電気・ガス代負担軽減策の影響も加わっている。日銀はこちらを本来注視すべきとしていたコアコア指数は3.5%もの上昇となっていた。

 ということで、この消費者物価指数に関する質問も出ると思うが、記者会見の内容に注目したいと思う。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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