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日本代表予備登録メンバー、中村憲剛、細貝萌ら7名を選出。東京五輪世代の高校生帯同メンバーも決定

川端暁彦サッカーライター/編集者

5月13日、W杯日本代表メンバー23名の代替要員である、予備登録メンバー7名が発表された。

選ばれたのは下記の7名。

ワールドカップ予備登録メンバー

GK

林卓人(サンフレッチェ広島)

DF

駒野友一(ジュビロ磐田)

水本裕貴(サンフレッチェ広島)

MF

中村憲剛(川崎フロンターレ)

細貝萌(ヘルタ・ベルリン)

FW

豊田陽平(サガン鳥栖)

南野拓実(セレッソ大阪)

同発表のために記者会見へと臨んだのは日本代表のザッケローニ監督ではなく、日本サッカー協会の原博実専務理事(技術委員長兼務)。「この7人だけじゃなくて、ここにも入らない選手もいる」と苦渋の表情を浮かべたように、23人とは別枠になるこの7名については断腸の思いもあったようだ。ザッケローニ監督は過去の招集時の経験なども踏まえ、「厳しい状況でもチームに来てチームのために、チームにフィットして活躍してくれるであろうという選手。この7人であれば、それで呼ばれてもやってくれるだろう」と、原専務理事には伝えたという。

何とも難しい立場になるが、ここからW杯まで1カ月もある。過去にも負傷からの緊急招集で、思わぬ「お呼び」を受けた茂庭照幸(2006年大会)のような例もあるだけに、備えてもらいたいところ。ザッケローニ監督の言葉のとおり、“それができる心意気のある選手”ということが一つの選考基準となったようだ。

また、日本代表の鹿児島合宿(5月21日~25日)からアメリカ直前合宿(5月29日~6月6日)までチームに帯同し、トレーニングパートナーを務める高校生選手2名も発表されている。選ばれたのは、大分トリニータのDF坂井大将、名古屋グランパスのFW杉森考起。共に1997年生まれの東京五輪世代である。

「昨年のU-17W杯など国際大会も多く経験しており、二人とも普段はトップチームで練習していて大人とプレーすることにも慣れている。いろいろなポジションでプレーできるということもあり、この二人を技術委員会として選択した。監督が選んだわけではなく、僕が鈴木(U-18・19日本代表監督)や吉武(U-16日本代表監督)からも話を聞いて選んだ。(ザッケローニ監督から)リクエストがあったのは、スペシャリストではなく幾つかのポジションをこなせる適応力を持った選手ということだった」と原専務理事は語った。二人はブラジル入りする直前まで代表チームに帯同し、紅白戦などのパートナーを務めることになる。東京五輪世代の二人にとって、またとない経験になりそうだ。

名古屋の杉森。技術の引き出しが多いアタッカーだ
名古屋の杉森。技術の引き出しが多いアタッカーだ

杉森は172cm・58kgの細身のアタッカー。小学生時代から将来を嘱望されてきた選手で、高い技術を備えるだけでなく戦術的にも多彩な役割へ対応できるタイプ。ストライカーとしても2列目としても、あるいはアウトサイドとしてもプレー可能で、ボランチの経験もある。

大分の元気者・坂井。あらゆる位置をこなすマルチロール
大分の元気者・坂井。あらゆる位置をこなすマルチロール

「坂井はスピードがあって代表では右も左もサイドバックをやっているし、チームでは攻撃的なポジションをしている。一番得意なのは、トップ下だと思う」と原専務理事が語ったように、万能タイプ。165cm・59kgと小柄だが、なかなかのガッツマンでもある。

サッカーライター/編集者

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。2002年から育成年代を中心とした取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月をもって野に下り、フリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカークリニック』『Footballista』『サッカー批評』『サッカーマガジン』『ゲキサカ』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。著書『2050年W杯日本代表優勝プラン』(ソルメディア)ほか。

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