ツイッターの現状を上場準備書類から確認する
アクティブユーザーは2億1800万人
チャット的なミニブログサービス「ツイッター(Twitter)」を運営するツイッター社は上場準備のために2013年10月3日付で登録届出書「S-1」を米証券取引委員会(SEC)に提出した。そしてその内容がSECから公開された。そこからはツイッターの昨今の動向を推し量るデータを取得することができる。
まずはツイッターの月次アクティブユーザー数(MAU。monthly active users。月一以上の利用者数)。2010年3月時点では3000万人でしかなかったMAUだが、2013年6月では2億1800万人。7倍強に成長している。ちなみに1日あたり5億回以上ものツイートが行われ、オンライン上を駆け巡っている。
グラフの傾斜具合からも分かる通り、去年の夏あたりから成長率はやや鈍化しつつある。四半期単位での成長率はこれまで30%前後を維持してきたが、現時点では10%前後。とはいえ、直近1年間でも40%強の成長を見せていることに違いは無い(もっともこれらの中にはいわゆる「bot」も含まれているので、純粋な利用「者」の増加と断ずるのには問題があるが……)。
利用者はより濃く、より貢献するように
MAUの成長は鈍化しているものの、利用者の利用度合いはより濃いものになっている。次に示すのはアクティブユーザー数の月次閲覧数。
継続利用している人はフォロワー・フォローしている人も増え、利用時の取得情報も増えていく。よりじっくりと読むようになり、さらに自分のタイムライン上の更新も頻繁になることから、タイムラインの取得を短い間隔で行うようになる。そのような「濃い利用者」が増え、平均的な閲覧数も増えていく次第である。
また後述するように、この増加はモバイル経由の利用者によるところも大きい。機動力が高い携帯電話においては、随時更新しうるツイッターはまさに、暇さえあればアクセスしたくなる中毒的な魅力を持つ。「どこでも『なう』」はよくある話だ。
ツイッター社にとって喜ばしいことに、売り上げの大半(2012年では85%)を占める広告売上の収益率も上昇している。
広告の展開方法の多様化も一因だが、主な収益率向上の理由としてはモバイル化が進んでいることが挙げられる。登録届出書内でもこの件について特に言及しており、
モバイルはツイッター社にとって主要の利用スタイルとなりつつある。2013年6月末に終了した四半期では、MAUの75%は携帯電話やタブレット機からのアクセスであり、広告売上の65%以上はモバイル経由のものである
とコメントしている。元々ツイッター自身が携帯電話のSMSをベースとしたものであることを考えると、必然的な成り行きと言えよう。
今後はスマートフォンの普及と共にさらにモバイル化が進み、それと共に閲覧頻度・回数と収益率も向上し、規模の拡大と共に利益構造が改善されていくものと思われる。それは果たしていつのことになるのか。今後の動向が楽しみだ。
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