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ホンダ「CBR250RR」がいよいよ国内発売へ! 新時代の250スーパースポーツの真価とは!?

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA CBR250RR

「トータルコントロール」が開発テーマ

CB250RRの国内発売が正式にアナウンスされた。2015年の東京モーターショーでコンセプトモデルとして発表されて以来、常に二輪ファンの注目を集めてきたが、昨年末にはインドネシアで発売を開始。そして、今回いよいよ日本でも5月12日(金)から発売されることになった。

CBR250RRはCBR“RR”シリーズの設計思想「トータルコントロール~操る楽しみの最大化」を共通のテーマに掲げた250ccクラスのスーパースポーツモデルである。

250cc初のスロットル・バイ・ワイヤシステムによるモード機能を搭載

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エンジンは新設計の水冷4ストローク直列2気筒DOHC250ccを搭載し、ショートストローク化や車体前方から効率よく空気を導入するダウンドラフト式吸気レイアウトを採用するなど、低中回転での力強さと高回転まで吹け上がるパワーを高次元で両立。

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また、250ccクラスで初となる「スロットル・バイ・ワイヤシステム」を採用することで、上質で安定感のある加速フィーリングを実現するとともに、3種類のライディングモードの設定により、ライダーの好みに合った出力特性を選択可能とした。

倒立フォークにリンクサスなど充実した足まわり

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車体面では剛性としなやかさを両立した鋼管トラス構造フレームを採用。足回りにはフロントに高剛性の倒立フォークと、リアには路面追従性に優れたプロリンクサスペンションを組み合わせる他、車体のスリム化とバンク角に寄与する左右非対称型のアルミ製のガルアーム(スイングアーム)や前後ラジアルタイヤを採用するなど、卓越した動力性能と操縦性を実現している。

フルLEDにフルデジタルメーターを装備

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また、灯火器類はデュアルヘッドライトをはじめ、ウインカー、テールランプなどすべてに高輝度のLEDを採用。メーターパネルは豊富な情報をライダーに瞬時に伝える、フルデジタルメーターを採用するなど先進性を演出しているのが特徴だ。

ライバルを圧倒するクラス最強38馬力

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さて、新型CBR250RRの真価について、スペックを参照しつつあらためて検証してみたい。最高出力は38馬力/12,500rpm、最大トルク2.3kgf-mということで、日本仕様も世界標準のフルパワー仕様で登場した。

単気筒エンジンを搭載するCBR250Rの29馬力/9,000rpmはもちろん、最大のライバルと見なされるヤマハ・YZF-R25の36馬力/12,000rpmをも上回り、現状でクラス最強のスペックが与えられている。加えて、上級スポーツモデル並みのライディングモードまで搭載された。

▲2017 YZF-R25 /ABS
▲2017 YZF-R25 /ABS

ちなみに最大トルク値は皆同じなので、やはりRRは高回転まで回すことでパワーを稼ぐタイプと言えそうだ。車重もほぼ同じ160kg台半ばなので、加速性能の目安となるパワーウエイトレシオではRRが有利と言えそうだ。

従来の250スポーツとは一線を画したモデル

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フレームに関しては、他の多くの250ccスポーツ同様スチール製ではあるが、RRは鋼管トラス構造とすることでより高い次元での剛性バランスの最適化を目指している。足回りでは倒立フォークやアルミ製スイングアームを採用しているのは同クラスでもRRが唯一。

一方、リンク式モノショックは単気筒モデルのCBR250Rにも採用されているが、R25はリンクレスタイプとなっている。

ちなみにリンク機構の有無がサスペンションの性能差に直結するとは限らないが、一般的にリンク式はプログレッシブ効果(沈み込むに従って硬くなる)が高いとされ、大排気量スポーツモデルでは主流となっている。

また、灯火類をフルLED化したり、前後タイヤにラジアルタイプを採用するなど、他を圧倒するハイスペックが与えられている。

ホンダのリリースにも「新世代“RR”を開発コンセプトに、スタイリングデザイン、車体、パワーユニットのすべてを新設計した」と謳われているとおり、従来の250スポーツとは一線を画したモデルとなっているのは疑いようもない。

80万円の価格をどう見るか

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ユーザー視点から唯一気になるのが価格だろう。ABSタイプで比べると単気筒のCBR250Rが549,720円、YZF-R25が599,400円、今回発表となったCBR250RRが806,760円(いずれも消費税込み)と価格面で大きく差が開いた。

走りの性能や装備のグレードの高さについては誰もが認めるところだろうが、その分の価値をRRに見い出せるかどうかは、その人の考え方次第だろう。

思い出される初代ファイアーブレード開発者の言葉

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かつて、CBR900RR初代ファイアーブレードの開発責任者を務めた馬場忠雄氏に理想のバイクについて聞いたことがあった。

「250ccぐらいで軽くて走りが良くて、細部の作りにもこだわったスポーツバイクが欲しい。目の肥えた大人のライダーが満足できる上質感があって、体力が衰えても楽しく乗れるモデルがあるといいね」

と、馬場さんが目を細めながら語ったのは、かれこれ20年ほど前か。

当時の最高峰スポーツモデルの開発者が妙なことを言うものだな、と当時の私が思ったのを覚えている。

今だから分かる新しい価値とは

レーサーレプリカ並みの走りを大排気量マシンで実現する「スーパースポーツ」というジャンルを確立し、「トータルコントロール」という概念を打ち出した、初代ファイアーブレードの生みの親である馬場さんの言葉の意味が、今になって分かった気がする。

つまり、排気量の大きさや絶対的パワーだけではない、「走りの質」や「グレード感」という価値。

レーサーレプリカ世代とは違った新しいモノの見方である。“プレミアム250ccスポーツ”とでも言うべきか……。その意味で、CBR250RRはその新たな時代の開拓者に成り得るかもしれない。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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