日本の長期金利が1%を付けたのはいつか
欧米の長期金利の上昇とともに、日本の長期金利(10年国債カレントの利回り)も上昇してきた。19日の朝方に0.820%を付けている。これは2013年8月以来となる。
2013年といえばこの年の4月に日銀は量的・質的緩和、いわゆる異次元緩和を決定している。日本の長期金利は4月4日の日銀の異次元緩和を受けて、翌日の5日に0.315%まで低下した。ここが当時としては過去最低水準となった。
ところがこの日に0.620%まで上昇しており、5月13日に0.8%台、15日に0.9%台に乗せてきた。
5月22日にバーナンキFRB議長(当時)は、景気指標の改善が続けば債券購入のペースを減速させる可能性があると指摘し、米国の長期金利は2%台に乗せてきた。
これを受けて23日に日本の長期金利は1.0%に上昇したのである。
この日の日経平均は16000円に接近し、ドル円は103円台をつけたが、長期金利含めて株もドル円もこの日がピークとなった。
長期金利はその後もやや不安定となるものの1%は超えることなく、6月に入ると12日に0.900%まで上昇し、翌日13日に0.795%まで低下したが、6月中はほぼ0.8%台での推移が続くことになった。
結果として2013年5月23日の1.0%がピークとなっていたのである。
日銀とすれば1.0%まで距離があるというより、異次元緩和後、1.0%でピークアウトしていたことで、ここは抜けないであろうとの読みが働いているのかもしれない。
しかし、当時の米長期金利も上昇していたとはいえ2%台であった。それが現在は5%に接近している。。
2013年5月の日本の消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比0.0%となっていた。直近の2023年8月分は同3.1%の上昇となっている。物価水準からみても、むしろ1%で止まるとは考えづらいのであるが。