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3人以下の世帯はもうすぐ8割…構成人数別世帯数の推移をさぐる(2019年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 少子化による少人数世帯化も進む中、子供二人の世帯も少数派になりつつある。(写真:アフロ)

少子化、単身世帯の増加など、世帯構成人数の減少が指摘され、かつてのような大人数家族は少数派となりつつある。その実情を厚労省の国民生活基礎調査(※)の結果から確認する。

まずは純粋な世帯構成人数別の世帯数推移。世帯構成人数そのものが減少しているため、1966年から1970年は8人以上の世帯を一括して8人世帯に、1971年以降は6人以上の世帯を一括して6人世帯としている。それぞれの年で該当世帯が多少跳ねているのが確認できるはず。やや細かい部分をチェックするため対象領域を2001年以降、つまり今世紀に入ってからに限定したグラフも作成する。

↑ 世帯人数別世帯数(万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数(万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数(万世帯)(2001年以降)
↑ 世帯人数別世帯数(万世帯)(2001年以降)

1人世帯・2人世帯数の急カーブを描いての上昇、3人世帯の緩やかな上昇がひと目でわかる。そして4人世帯は1970年代後半までは増加していたものの、それ以降は緩やかな減少。5人世帯となると1960年代後半以降はほぼ横ばいで、1990年代以降は漸減状態となっている。また、2011年以降は一時的ではあるが、1人世帯・2人世帯の伸び方が加速化したように見受けられる。

人口が増加傾向を示すためには、1世帯あたりの子供の人数が2人+α(理論上は2人いれば横ばいだが、不慮の事故などによる減少分を考慮すると「+α」が求められる。この考えを「人口置換水準」と呼び、通常は2.07人から2.08人と言われている)以上は必要となる。単純に今データが核家族だけだったとしても5人世帯(夫婦+子供3人)以上が減少している以上、人口の減少が避けられないことは明らか。さらに実際には3世代世帯なども含まれるので(もちろん親一人+未婚の子供世帯もあるが)、事態はさらに厳しいものと考えてよい。

いわば今データは日本の「少子化」「核家族化」の双方を明確に表すグラフともいえるが、それがさらにはっきりと分かるのが次の図。世帯人数別に、世帯数を比率で区分したもの。少人数世帯を赤系統色で着色したが、グラフが下に行く(年代が現在に近づく)につれて、その色の部分が伸びていくようすが分かる。こちらも21世紀以降のみのグラフを追加した。

↑ 世帯人数別世帯数比率
↑ 世帯人数別世帯数比率
↑ 世帯人数別世帯数比率(2001年以降)
↑ 世帯人数別世帯数比率(2001年以降)

1~3人までの世帯は1953年時点では3割にも満たなかった。それが1970年には50%を超え、直近の2018年データでは79.0%にまで伸びている。世帯数そのものが増加しても、1世帯あたりの人数が減少しているのであれば、総人口が増えるはずもない。

日本の世帯構成の変化の特徴は「少子化」「核家族化」「少人数構成世帯の増加」にある。社会観・価値観の変化も一因であり、同時に金銭面を中心とした社会全体のバックアップ体制の不足・不信感・不安感の問題でもある。

世帯構成別に見た上でも、人口問題は短期的なものではないのが分かる。よって明確な戦略を打ち立てた上で、中長期的な視点でアクションをしなければならない。他国の問題ではなく、自国の問題であることを明確にした上で、不確定要素の少ない自国内での解決法を模索すべきといえる。ましてや無為無策、その場限り、行き当たりばったりな手立てでは、十年、百年単位で後世から罵られることは容易に想像が出来よう。「その時、自分達はいないから」との態度が見える姿勢を示しては、将来どころか現時点でそっぽを向かれてしまうに違いない。

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※国民生活基礎調査

全国の世帯および世帯主を対象とし、各調査票の内容に適した対象を層化無作為抽出方式で選び、2018年6月7日に世帯票、同年7月12日に所得票を配ることで行われたもので、本人記述により後日調査員によって回収され、集計されている(一部は密封回収)。回収の上集計が可能なデータは世帯票が4万4135世帯分、所得票が6227世帯分。今調査は3年おきに大規模調査、それ以外は簡易調査が行われている。今回年(2018年分)は簡易調査に該当する年であり、世帯票・所得票のみの調査が実施されている。

また1995年分は阪神・淡路大震災の影響で兵庫県の分、2011年分は東日本大震災の影響で岩手県・宮城県・福島県(被災三県)の分、2012年は福島県の分、2016年は熊本地震の影響で熊本県の分はデータが取得されておらず、当然各種結果にも反映されていない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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