平均2.73合、一人暮らしだと2.46合…自炊者の炊飯量をさぐる
・1日の主食平均食数ではお米がもっとも多い。その大部分は家庭での炊飯(2017年度)。
・家庭で炊飯をする世帯に限定すれば、1回に炊飯をする量は平均で2.73合。
・一人暮らしの自宅炊飯者は4割近くがご飯を冷凍して活用している。
最近では電子レンジなどを用いて一食分のご飯が炊ける調理器具も登場し、重宝されている面もあるが、世帯単位で自炊(炊飯)をする場合、その多くは炊飯器を用いてお米を炊くことになる。その炊飯器の能力上限次第によるところが大きいが、世間一般では一度にどれ位の量のご飯が炊かれているのだろうか。今回はJC総研が2018年4月に発表した、農畜産物の消費行動に関する調査(※)の結果報告書をもとに、「一般世帯で自炊される際の、一度に炊飯される量」を確認する。
今調査対象母集団では1日平均で2食近くのご飯が食べられている。その一部はお弁当やピラフなどの中食だが、多くは自宅で炊いた炊飯によるもの。
それでは一般の世帯で炊飯をする人は、一度にどれほどの量を炊いているのだろうか。炊飯者に限定して聞いた結果が次のグラフ。ちなみにお米1合は大よそ180ミリリットルで150グラム前後。ご飯として炊けると、大体お茶碗で大盛り2杯分ほど(400グラムぐらい)となる。
ボリュームゾーンは2合と3合でそれぞれ3割近くの回答率。炊飯器はその能力の上限までしか炊けないこと、その能力を下回る量でご飯を炊く意味が(一度に食べ切るので無い限りは)あまり無いことから、大よそこの量が各家庭にある炊飯器の大きさと判断してもよいだろう。
これを世帯人数別に分け、さらに炊飯量の概算平均を求めたのが次のグラフ。一度で食べ切ることを前提としていないことに注意。
きれいな形で大所帯ほど一度に炊く量が多くなっている。一方で、単身世帯でも一度に炊く量は平均2.46合とやや多め。上記の通りならば大体大盛りごはんで5杯分。一人で一度に食べ切るのは難しい量ではある。
この疑問に答えを出してくれるのが次のグラフ。これは各炊飯世帯において、炊いたご飯をどのように食べているかを示したもの。炊く量の目安をどのようにつけているかを表しており、大よそご飯の食べ方の指針となっている。
お弁当用としてご飯を用意する場合、普通の食事同様に食事1回分に含む。例えば朝ご飯用とお弁当に詰めるためのご飯を合わせ、タイマーなどで早朝炊きあがるようにセットして炊いている場合、「2回の食事で食べ切る量」が該当する。
単身、つまり一人暮らしの場合、一度で食べ切る量を炊いている人は1割強でしか無い。2回分も2割近く。3割強は3回以上、そして4割近くは当座(特に指定は無いが炊いた直後の食事との意味だろう)分と、冷凍保存して食べる分を炊いていると答えている。これならば、単身世帯でも平均して約2.5合のご飯を炊くのも納得がいく。
ちなみにご飯を冷凍保存をすると(専用の容器も多数発売されている)味は少々落ちるかもしれないが、手間をかけずに主食を準備できるため、非常に便利。一人暮らしには重宝すべき手法である(帰宅が遅くなった時にコンビニで惣菜のみを調達して冷凍したご飯とともに食べる、などの中食による食事が容易にできる。お弁当そのものよりも柔軟性が高く、安上がりで済むのもポイント)。
世帯人数が多くなるに連れて、大よそ一度に食べ切る、あるいは2回の食事で食べ終える比率が高くなるとともに、冷凍保存の比率は減っていく。世帯人数が多くなると一度の食事分でも大量の保存が必要となり、冷凍庫の場所が足りなくなってしまう。ならばこまめに炊いた方がよいとの判断によるものだろう。
一人暮らしの自宅炊飯者は4割近くがご飯を冷凍して活用している。ご飯の利用傾向において、興味深い話には違いない。
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※農畜産物の消費行動に関する調査
直近年度分は2017年12月15日から19日にかけて、全国の主婦・既婚男性・単身(独身)女性・単身(独身)男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2162人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下174人・30代291人・40代359人・50代338人・60代409人・70代以上591人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。
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