【南アルプス市】南アルプス市らしい公園がオープンしました〜治水・利水の歴史に学ぶ〜
先日、国指定史跡御勅使川旧堤防(将棋頭・石積出)の一部を構成する桝形堤防の史跡整備工事が完成し、竣工式およびオープニングセレモニーが行われたと報道がありました。以前から公園整備されると聞いており、完成を楽しみにしていましたので、早速見学に行ってきました。
徳島堰沿いの道を北に進むと堰は暗渠となって地下に潜り、その先に史跡はあります。
御勅使南公園と県立わかば支援学校へ通じる交差点の角地になります。
駐車場も5台分あります。広さに余裕があるので出入りや転回は難しくないと思います。トイレはありません。
立派な展望台まで整備されています。
実際、高いところからでないと堤防の様子を掴むのは難しいので、展望台の存在は史跡を理解するためにとても役に立つと思います。
展望台を横から見た。周辺の芝生はまだ養生中なので、6月まで立ち入り禁止だそうです。立ち入って荒らしたりすることがないように注意しましょう。
展望台からの眺め。手前右側から北東堤、その奥が北堤、画面左奥に南堤。
徳島堰・後田水門。この下に御勅使川を横断する暗渠が築かれています。今も現役です。この水門から分水された水が、有野や六科地区の水田に導かれていたとのことです。洪水対策を施しながら、釜無川から引いてきた水を分水するという治水・利水の両立がなされていました。先人の知恵たるや恐るべし。
園路もあって史跡の広さを体験することもできます。
案内板も設置されていて、堤防について分かりやすく解説されています。
昔は暗渠に潜って冒険したとの話も聞きます。また、水の分配については古くからトラブルの元にもなって、色々面白い話を聞いたことがあります。
桝形堤防が整備され公園として公開されたことにとても喜ばしく思っています。地域の子供から大人まで、大切にしてきた史跡だからこそ、何かしらの形で後世に残していく必要があるのではないでしょうか。今回とても綺麗に整備されていて想定以上でした。是非、市内の方々だけでなく色々な方に利用していただければと思いました。
【桝形堤防】
場所:南アルプス市有野
駐車場:あり
トイレ:なし
問い合わせ:南アルプス市教育委員会 文化財課 055-282-7269
市役所HP