【目黒区】ホテル雅叙園東京の2024年クリスマスケーキはすでに予約スタート、売切れ注意です
日本美のミュージアムホテル・ホテル雅叙園東京で2024年9月4日(水)、メディア向けに行われたクリスマスケーキの試食会。今年もおじゃましてきました。
まだまだかき氷が恋しい暑さが続いていますが、ホテル雅叙園のクリスマスケーキは10月1日(火)からすでに予約がスタート。例年、あっという間に売切れてしまう恒例行事となっています。
毎年登場する定番ケーキ3種類に加え、新作4種類の合計7種類。新作をメインにさっそくご紹介していきましょう。
端正なたたずまいに、計算されつくされた味わいが内包されている生野シェフのケーキ
ホテル雅叙園東京にあるPATISSERIE「栞杏1928」。こちらで毎年発売されるクリスマスケーキは、ホテル雅叙園東京のペストリー料理長・生野剛哉(しょうの たけや)さんが手がけているものです。
「日本美のミュージアムホテル」の名にふさわしい、まるで美術工芸品のような輝きを放つ仕上がりで、アート作品としても見事な完成度。カットしたときの断面の美しさまで計算されつくして作られています。
味わいも一口目から最後まで常に変化し続け、食感・香り・味わいなど予想を覆すおいしさです。今年はどんな驚きが待っているのでしょうか。
楽しみです!
新作1:ショコラアールグレイ
1つ目は精緻なチョコ細工が目を惹く「ショコラアールグレイ」です。まろやかな味わいにカカオが香るミルクショコラムースの中には、ベルガモットが香るアールグレイのダックワーズとガナッシュが隠されています。
- グラッサージュショコラ
- ムースショコラ・ジバララクテ
- ダクワーズアールグレイ
- オレンジコンフィ
- ダクワーズアールグレイ
- ガナッシュアールグレイ
- クラシックショコラ
- アーモンドとアールグレイのヌガー
ケーキ一番上の段から順に7種類・8層の味わいを重ねています。そろぞれ違った味わいを楽しませてくれるとともに一つに溶け合いつつ、驚きと感動のあるおいしさを表現してくれます。
まるごと炊いたオレンジコンフィは果皮の苦味と爽やかさ、自然な甘味を楽しませてくれる仕上がり。全体に混ぜるのではなく、間に忍ばせることでほどよいアクセントに。
ふんわりとしたくちどけのムースと、ザクザクした食感のヌガー、食べるたびに変化が楽しめ、最後までおいしくいただいてしまいました。
新作2:マロンカラマンシー
ホワイトチョコレートのムースと苦味と酸味が特徴の柑橘「カラマンシー(別名:フィリピンレモン、四季橘)」、濃厚な栗を組み合わせたシェフのセンスが光る一品。
カラマンシーはレモンとライムの中間ぐらいの酸味があり、独特の苦み(えぐみ)があるため、単品で使われることはあまりないそうです。
- ムースショコラオパリス
- ジュレカラマンシー
- ビスキュイアマンド
- ムースカラマンシー
- ムースマロン
- マロンプチカッセ
- ビスキュイアマンド
ケーキ一番上の段から6つの異なる食感のものを7層重ねて独自の味わいを演出。パンチのあるカラマンシーの味わいと、栗の濃厚な甘さ、まろやかなホワイトチョコレートの味わいが溶けあい、お互いの個性を引き立たせていました。
新作3:フロマージュ・ルバーブ
真っ白な「マロンカラマンシー」とは対照的に真っ赤な色合いでまとめられた「フロマージュ・ルバーブ」。細かな細工を施したデザインが聖夜を華やかに演出します。
ルバーブは茎を食べる野菜で、あんずのような独特の香りと、少しクセのある強い酸味が特徴。ジャムにしてよく食べられていますね。
スイーツではいちごとの組み合わせが定番なのだそうです。今回はあまりルバーブに火を通さず、シャキッとした食感を残してコンポートに。
ふんわりとしたフロマージュブランのムースと、いちごのムース、コンフィチュールが口の中で優しく、甘く溶け合います。甘さと爽やかさのバランスがともかく絶妙でした。
新作4:ジャポネハーブ・ショコラ
生野シェフが今回の新作の中でも「かなりのチャレンジだった」という「ジャポネハーブ・ショコラ」。春らしい独特のクセのある香りや苦味を持つよもぎは、「和」の主張が強く、「洋」のケーキに昇華させるのがとても難しかったのではないでしょうか。
高カカオのムースやチョコレート羊羹、よもぎのコンフィ、よもぎのケーク、大納言を大胆に組み合わせ、新しい食感と味わいのケーキに仕上がっていました。
今回試食させていただいた新作4種類のケーキのうち、私が一番感動したのがこの「ジャポネハーブ・ショコラ」です。
よもぎと高カカオチョコレートの相性が抜群で、食べると次々に食感が変化し、よもぎの香りとチョコレートの味わい、羊羹のなめらかさ、大納言の歯ごたえなどが楽しめて、ついあともう一口と完食してしまいました。
ホテル雅叙園東京のクリスマスを毎年彩ってきた定番ケーキ3種類
新作ももちろん素敵なのですが、定番のクリスマスケーキも、ということで、こちらもダイジェストでご紹介していきましょう。
嘉山農園の苺ショートケーキ
日本人にとって、とてもなじみ深い苺のショートケーキ。赤と白のクリスマスカラーで毎年これに決めている、という方も多いのではないでしょうか。
「嘉山農園の苺ショートケーキ」は、神奈川県横須賀市にある「嘉山農園」でギリギリまで収穫せずに完熟させた極上の「とちおとめ」を使ったケーキ。生野シェフいわく「消費期限が最も短いケーキ」なのだそう。
蓋を開けた瞬間、部屋中に甘くジューシーないちごの香りが漂います。生野シェフご自身のキャリアの中で、こちらの苺を17年間使い続けているそうです。
市場には流通できないため、いつも車で使う当日に買いに行っていると生野シェフ。まさにクリスマスだけの特別なショートケーキ、といえそうです。
玉手箱
ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園が、かつて「昭和の竜宮城」と呼ばれたことにインスピレーションを受けて生み出された「玉手箱」。紅白2段のお重にぎっしりとお菓子やケーキが詰められています。
チョコレートで作られた箱まで食べられ、その細工の美しさもプレミアムな輝きを放っています。
上写真向かって左の「一の重(赤い箱)」は、生野シェフが28年間作り続けているシグネチャー「シシリアン(ピスタチオやアーモンドのババロアなど7層からなるスイーツ)」を始めとするプティ・アントルメ、チョコレート、焼き菓子などの詰め合わせ。
右の「二の重(白い箱)」は、嘉山農園の苺ショートケーキがぎっしりと詰まっています。家族が集まってホームパーティや、友人を招いてのクリスマスパーティにぴったり。
わずか10台だけの限定商品となっています。
シュトーレン
ドイツ伝統のフルーツケーキ「シュトーレン」は、イエス・キリストの降誕を待つ間に食べる伝統菓子。
「ホテル雅叙園東京」のシュトーレンは、レーズン、チェリー、オレンジの風味豊かでしっとりとした生地と、アーモンド、ローマジパンの異なる食感、カルダモンやシナモンの香りがアクセントになったちょっと「大人のシュトーレン」です。
スパークリングワインにも合いますが、ドイツのクリスマスによく飲まれているグリューワイン(ホットワイン)にもぴったり。クリスマスを待たずにちょっとずつスライスしていただきながら、味の変化を楽しむのもいいですね。
春からクリスマスケーキの構想を練り始め、30回以上の試作を繰り返すという生野シェフ
毎年、新しいクリスマスケーキを生み出し続けている生野シェフ。どんなケーキを提案しようか、その構想を練り始めるのは4月頃からなのだそうです。
9月に行われる試食会(発表会)に向けて、30回以上の試作を繰り返し、磨き抜かれた4種類が今年のクリスマスケーキとして世に送りだされます。素材の組み合わせ・味わい・食感・見た目の美しさなど、あらゆる角度から徹底的に検証。
数ミリ単位で調整するという繊細な工程を経て完成されるケーキはどれも唯一無二の輝きを放っていました。
すべてが数量限定となっていますので、気になるケーキがありましたら急いで予約、ですね。
■取材協力
ホテル雅叙園東京
住所:東京都目黒区下目黒1-8-1
問合せ先:03-3491-4111(代)