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日本のソーシャルメディアの利用現状を確認する

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 人と人とのつながりを別次元のものにシフトしたソーシャルメディア。その利用率は

人との距離感、情報の価値観を大きく変容させたソーシャルメディア。多種多様なサービスが栄枯盛衰にあるが、現状の利用状況を総務省の調査「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2015年11月14日から11月20日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリングによって抽出し、訪問留置調査方式により実施。13歳から69歳の1500サンプルが対象。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日)の結果をもとに確認していく。

利用率を確認するのは主要ソーシャルメディア、具体的にはLINE、Google+、Facebook、Twitter、mixi、Mobage、GREEの計7サービス。加えて動画系のソーシャルメディアであるYouTube、ニコニコ動画、Vine、さらに写真系のInstagram。LINEは厳密にはソーシャルメディアでは無くコミュニケーションサービスだが、今件ではソーシャルメディアとして取り扱われている。

具体的サービス毎の利用状況は次の通り。若年層の利用率が圧倒的に高く、これが後押しする形でLINEが一般的なソーシャルメディアでは最上位につくこととなった。

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、全体比)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、全体比)

次いで多いのはFacebook、Twitter、Google+と海外発のソーシャルメディアが続く。かつて日本で一世を風靡したmixiだが、今調査の限りでは6.9%のみの利用率に収まっている。LINEは厳密にはソーシャルメディアと似て非なるものなので、実質的には「国内利用率ナンバーワンのソーシャルメディアはFacebook」となる。

他方、動画系のソーシャルメディアまで精査に含めれば、LINEすら凌駕しているのがYouTube。全体の2/3が利用している。LINEが比較的若年層で利用が集中しているのに対し、YouTubeは幅広い年齢階層で使われているのが、全体の利用率を押し上げた原因である。

これを世代別に見たのが次のグラフ。世代間の特性が表れており、興味深い結果が出ている。

↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)(動画・写真系)
↑ ソーシャルメディアの利用率(2015年、年齢階層別、全体比)(動画・写真系)

LINEが40代にまで浸透し、特に20代の利用率(9割超)の圧倒感が確認できる。40代ですら3/4がLINEを活用中。これらの値はインターネット利用者、携帯電話利用者限定では無く、該当する世代全体比であり、例えば10代から40代までは少なくとも7割はLINEを利用している計算になる。

10代では意外にもTwitterがLINEに続き、20代・30代ではFacebookが続いている。かつて実名・実肖像主義のFacebookは日本では浸透しないのではないかとの話もあったが、この値を見る限りそれは単なる杞憂だったようだ。特に20代では6割の人がFacebookを利用していると答えている。

4ソーシャルメディアの利用は20代がピークでそれ以降は低下、特に50代になると著しい減退を見せる。60代ではよくて1割程度の状況となる。利用端末そのものの普及率の低さも一因だが、シニア層ではデジタルにおけるコミュニケーションは電子メールが主流であり、ソーシャルメディアにはまだ手が及ばない。あるいは必要性を感じないのかもしれない。何しろコミュニケーションメディアは、自分だけでなく意思疎通をしたい相手も登録していないと、利用ができないのだから。

他方、動画・写真系ソーシャルメディアになると、YouTubeの幅広い年齢階層における利用状況が見て取れる。40代までは約8割超、50代でも過半数、60代でも1/4近くが利用している。豊富なコンテンツの実装に加え利用ハードルが低く、ブロードバンドでインターネットにアクセス可能な環境であれば、会員登録の必要すら無くほぼ利用できるのが強みではある。

短時間の一発芸的な動画がメインのVineは10代の利用がメインで、20代以降は誤差範囲内。ニコニコ動画は10代から20代の利用が圧倒的だが、30代以降でも1割強、60代でも7%近くの利用状況が確認できる。オシャレ感の強い画像共有サービスInstagramは20代が利用のピークで3割強、10代や30代も2割前後の利用率を示し、若年層に強いサービスの実情が把握できる。

今件調査結果からはLINEの中堅層への浸透やFacebookの健闘、Twitterの若年層への普及など、興味深い動きを多々見受けることができるが、これらの動きは単年のイレギュラー的なものでは無い。来年はこれらの状況が進み、日本国内におけるソーシャルメディアの勢力図もさらなる変化を見せるに違いない。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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