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サンウルブズ田中史朗、古巣対戦に思うことは? 「ネクスト江頭」にも言及。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
報道陣の問いかけに応じる田中(筆者撮影)。

 日本代表候補として今秋のワールドカップ日本大会出場を目指す田中史朗は、4月26日、東京・秩父宮ラグビー場で日本人初のスーパーラグビー(国際リーグ)デビューを果たしたハイランダーズと対戦する。

 2013年から4季在籍したニュージーランドのクラブに、日本のサンウルブズの一員として激突。34歳のスクラムハーフである田中は、「(古巣のことは)あまり意識せずにやりたい」と勝利を目指す。

 オフ明けの2月からラグビーワールドカップトレーニングスコッドキャンプで調整しており、サンウルブズへは3月23日の第6節を前に合流。次戦では4試合目の出場にして、今シーズン初の先発となる。前日の試合会場練習後、取材に応じ、トライ後のパフォーマンスを提案したチームメイトのエピソード、ワールドカップに向けた準備状況などについて語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――まず、ワールドカップ日本大会への準備状況はどうですか。

「試合には出たいですが、出られなかったとしても自分がやれることはたくさんある。毎日、準備していきたいです。コンディションは上がってきていますが、(今年に入ってからの)ゲームタイムは少なかったのですが、これから試合に出て自分の体調を上げていきたいです」

――この時期、スーパーラグビーの試合をするメリットは。

「世界の強豪と戦うことはワールドカップへのいい準備になります。いまはワールドカップというよりも目の前の試合を意識していますけど、その結果がワールドカップにも繋がってくる」

――現在、代表候補はふたつのグループに分かれて動いています。ラグビーワールドカップトレーニングスコッドキャンプを母体にするウルフパックの選手は相次ぎサンウルブズへ合流中ですが、適応の難しさはありますか。

「(ふたつのチームの間で)戦い方が少し違うし、こっち(サンウルブズ)は外国人が多く、日本語の喋れる外国人も少ない。その部分でも難しさはあると思います」

――今度は古巣ハイランダーズとの試合ですが。

「思い入れのあるチームなので少しは(他チームとの対戦時と気持ちが)違いますけど、やることは変わらない。あまり意識せずにやりたいです。皆、メールで『アーロン・スミス(ニュージーランド代表スクラムハーフ)が相手だ』とかいろいろなことを言いますけど、ひとりひとりがやることを遂行すれば勝てる。自分の仕事をしたいです。ゲームのコントロール、パスの精度を意識したいです」

――最近、試合の後半に崩れる場面が多い。

「80分継続できればいいんですけど、身体の部分、疲れが出てくるとは思う。ただ、僕は他のスクラムハーフに比べてテンポが速くないので、しっかりコントロールできれば(味方の体力温存の意味合いか)。僕が交代したら、茂野(海人)というスピードのあるスクラムハーフがいる。テンポアップしていって欲しいです」

――スミス選手と対戦する楽しさ、難しさ。

「スピードのある選手。彼を自由に動かすと、スペースを作られる。常に彼がどこにいるか声をかけて、フォワードが彼を潰せるようにしたいです」

――2017年にハイランダーズと対戦した時との違い。

「その時は(ハイランダーズに)いい選手がたくさんいて、(2015年に)優勝してあまり経っていなかったので隙がないチームでした。でもいまは――フォワードが強くセットピースではプレッシャーを受けるかもしれないですけど――スペースも空いていますし、そこをサンウルブズのバックスで攻められたら。サンウルブズは毎年プレーヤーが変わっていますけど、確実にレベルアップしている。勝って、レベルアップしたことを皆さんに見てもらいたいです」

――セミシ・マシレワ選手にお笑い芸人の江頭2:50さんのパフォーマンスを教えたようです。さらに新たなギャグを教えることはありましたか。

「いや。…でも、『マシ令和』というの(ファンからの指摘)でかなりテンションが上がっているようなので、そこを突っついていただければ」

 現象を語りながら勝利への道筋をイメージする田中。19時キックオフのゲームでスキルフルなバックスをどこまで動かせるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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