シグマ、レンズとカメラの新製品を複数同時に発表!
株式会社 シグマが7月11日に都内で新製品の発表会をおこなった。発表される新製品の詳細は事前には告知されておらず、代表取締役社長の山木和人氏がスライドを進めながら、続々と新製品を紹介していくというスタイル。
まず最初に発表となったのが3本のフルサイズミラーレス用レンズ。シグマ初となる開放値F1.2の大口径単焦点レンズ SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art、金属外装を多用し小型ながら高級感を感じさせるSIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary、そして新しいコーティング技術「ナノポーラスコーティング」を採用したSIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Artである。3本ともLマウント用とソニーEマウント用の2種類が用意される。
SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art 希望小売価格 190,000円(税別)
F1.2という開放値だけに、重さは1090gで、フィルター径は82mmとかなり大柄なボディ。F1.2という開放値でどのようなぼけ具合となるのかが興味のあるところだ。
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary 希望小売価格 75,000円(税別)
小型軽量のラインアップとなるContemporaryシリーズのレンズ。全長462mm、重さ215g。金属を多用した高級感のある仕上がりとなっている。オールドレンズのような金属感に心地よさを感じる。ぼけの大きさよりも微ぼけの美しさにこだわったという一本。
SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art 希望小売価格 190,000円(税別)
重さ795g。周辺まで高い解像力を実現し、星景写真撮影に最適だという。ミラーレスに最適化した設計で明るさと小型化と高画質の両立を図っているという。
(上記3点の写真は株式会社 シグマ提供)
発表会後半では、フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ「SIGMA fp」が披露された。これは同社のデジタルカメラとしては初となるベイヤー配列のイメージセンサーを採用するモデルで、レンズマウントにはLマウントを採用している。外形寸法は112.6×69.9×45.3mm、重さは422g(カード、バッテリー含む)とレンズ交換式のフルサイズセンサーカメラとしては世界最小、最軽量となっている。機械式シャッター搭載せず、すべての撮影を電子シャッターのみでおこなうという。また、価格に関しては一切のアナウンスはされていない。
(上記2点の写真は株式会社 シグマ提供)
カメラの高さはほぼLマウントの外径と同じくらいのサイズに抑えられている。3.15型約210万ドットの液晶モニターはコントラストも高く見やすいものとなっていた。小型ボディのわりには背面のボタン類は充実しているように感じる。
上面のスイッチひとつで静止画と動画の切り替えが可能で、静止画と静止画ではそれぞれのモードに最適化された情報が自動表示されるようになっている。
ただし、発表会のタッチ&トライコーナーで手に取った印象では、本体のみで完結させるには少しシンプルすぎるように感じる。Lマウント用の大きめのレンズを装着するには少しボディが小さすぎるかもしれない。静止画撮影用のカメラとして使うならオプションのグリップやビューファインダーなどを装着するなどしたほうが良さそうだ。また動画撮影であれば、外部記録用のSSDやリグ、ケージなどを組み合わせることで動画用カメラとして構築していくと良いだろう。静止画と動画のどちらをメインとして使うにしろ、あくまでもfp本体はベース部分として考え、それに色々なものを組み合わせていくことで用途に合ったカメラに仕上がるというシステムカメラと思っておいたほうが無難ではないだろうか。
とはいえ、今回の発表だけではこのカメラの善し悪しを語ることはできなそうだ。強いてコメントすれば、「このカメラに大きな可能性を感じる」というところだろうか。あとは表に持ち出して実際に撮影をしてみること、その写真や映像を見てみることをしないと評価はできないというのが本音だ。レンズ、カメラともに実機をテストする機会が得られればそのときはレビューの形でお伝えしたいと思う。
最後になるが、今回の発表会ではシグマという会社がチャレンジし続ける会社なんだということを実感した。いちレンズメーカーというポジションに甘んじることなく、純正レンズにはない独自の魅力を持ったレンズを次々とリリースし、さらにカメラに関してもまったく新しい発想のものを提案する。ユーザー目線で見ればこれほどワクワクさせてくれる会社は他にはないと言ってもよいほどだ。今ひとつ盛り上がりに欠けるカメラ業界において、シグマのような会社が新しい風を起こしてくれることに今後も期待したい。