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【JAZZ】村井秀清 Merged Images『Impressions』発売記念ツアー@BAJ

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、村井秀清 Merged Images『Impressions』発売記念ツアー。

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村井秀清『Impressions』
村井秀清『Impressions』

6月に2年ぶり4枚目となるソロ名義のアルバム『Impressions』をリリースした村井秀清。

前作『Step Forward』のレコ発以降、レコーディング・メンバーによるMerged Imagesというバンド単位での活動を重ね、そのライヴ現場で練り上げたサウンドをスタジオに持ち込んで仕上げたのが新作だ。

“印象”の具現化を促進させたバンドの熟成

プロモーションのためのインタビュー取材で村井秀清は、「前回よりも手間が掛からずに作ることができた作品」と語っていたのが印象的だった。

それは、委ねてしまう“仲間”ができたことによる安心感を意味しているのではなく、彼の意図をより敏感に察知して反応してくれる“共同体”に発展したバンドをもつことができたこと、それによって得られる充足感が“手間が掛からない”という心理的負担の軽減効果を与えた、ということだ。

水墨画のような、墨が乾く前に絵を完成させてしまうような即興感や見切り方を求めるのではなく、油絵具やアクリル素材を塗り重ねて“色の奥行き”を出していくタイプの音楽家、という喩えが近いだろうか。

そのアプローチによって生まれた“充足感”が、スタジオでのさらに念入りなサウンド・メイクへとつながり、完成度を高める結果を生んだ。それはまた、ピアニストとしての村井秀清の“舞台”を用意する余裕を生むことも意味していた。

ライヴでは、こうした4作目の環境と経緯をふまえて、さらに次なる音楽的風景の投影へとチャレンジしようとする村井秀清 Merged Imagesに出逢うことができるはずだ。

では、行ってきます!

●公演概要

7月11日(土) 開場18:00/開演19:30

会場:ブルース・アレイ・ジャパン(目黒)

出演:村井秀清(ピアノ)、宮崎隆睦(サックス)、鈴木正人(ベース)、新村泰文(ドラム)

♪村井秀清4th Album『Impressions』

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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