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紙巻たばこか加熱式たばこか…喫煙者のたばこの種類(2024年発表版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
最近色々と注目されている加熱式たばこ。利用実情は(写真:イメージマート)

喫煙者における加熱式たばこの普及状況

たばこ関連の話題の中で最近スポットライトを浴びているのが、加熱式たばこの存在。紙巻たばこのようにたばこの葉を燃焼させず加熱して使うたばこで、日本では2015年に発売されたIQOSをきっかけに知名度が上がり多くの人が利用することとなった、新しいスタイルのたばこ製品である。今回は2024年8月に発表された定期調査「国民健康・栄養調査」(※)の最新版となる2022年分における概要報告書から、加熱式たばこの利用実情を確認する。

今調査の結果においては、成人男性の喫煙率は24.8%、成人女性の喫煙率は6.2%となっている。なお現在習慣的に喫煙している人とは、たばこを毎日吸っているか時々吸う日があると回答した人を意味する。

↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別・年齢階層別)(2022年)

そこで習慣的に喫煙している人にどのような種類のたばこを吸っているかを「紙巻たばこ」「加熱式たばこ」「その他(きせるなど)」の選択肢から複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。「その他(きせるなど)」はごく少数の回答だったため今回の精査では除外する。

↑ 習慣的に喫煙している人が使用しているたばこ製品の種類(男性、複数回答、年齢階層別)(2022年)
↑ 習慣的に喫煙している人が使用しているたばこ製品の種類(男性、複数回答、年齢階層別)(2022年)

↑ 習慣的に喫煙している人が使用しているたばこ製品の種類(女性、複数回答、年齢階層別)(2022年)
↑ 習慣的に喫煙している人が使用しているたばこ製品の種類(女性、複数回答、年齢階層別)(2022年)

男性では全体で73.6%が紙巻たばこ、30.1%が加熱式たばこ。両方を足すと100%を超すため、併用している人も少なからずいる。年齢階層別では40代では紙巻たばこの使用者は少なめで加熱式たばこは多め、50代以上になると紙巻たばこが増え、加熱式たばこは減っている。新しい喫煙スタイルともいえる加熱式たばこは男性中年層には大いに受け入れられている。20代で紙巻たばこが高めに出ているのは入手のしやすさや、まずは定番なものを選んだということだろうか。

女性では全体で67.2%が紙巻たばこ、34.4%が加熱式たばことなり、男性よりも加熱式たばこの使用率は高い。年齢階層別では加熱式たばこの使用率は20代がピークの85.7%。女性の若年層における加熱式たばこの浸透状況は、大変高いものとなっている。

紙巻と加熱式の併用実情

喫煙者にとって紙巻たばこか加熱式たばこかはどちらか一方のみを選択しなければいけないわけではない。状況に応じて使い分けてもまったく問題はない。そこで習慣的に喫煙している人における使用するたばこの種類の組み合わせを尋ねた結果が次のグラフ。「紙巻たばこと加熱式たばこ」には、紙巻たばこと加熱式たばこの双方を回答した人に加え、さらに「その他(きせるなど)」も回答した人(つまり紙巻たばこ、加熱式たばこ、きせるなどをすべて使っている人)も含まれる。

↑ 習慣的に喫煙している人が使用しているたばこ製品の組み合わせ(男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 習慣的に喫煙している人が使用しているたばこ製品の組み合わせ(男女別・年齢階層別)(2022年)

紙巻たばこと加熱式たばこを併用している人は男性で4.5%、女性で3.3%。年齢階層別で見ても多くて1割台で、少数派でしかない。喫煙当初から使っていたのか、元々紙巻たばこを使っていたのが加熱式たばこに切り替えたのかはともかくとして、加熱式たばこ使用者の多くは、加熱式たばこのみで喫煙していることになる。併用者の割合はおおよそ若年層に多いようだ。

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※国民健康・栄養調査

健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素など摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とするもの。調査時期は2022年11~12月中。今回調査分では調査実施世帯数は2910世帯で、調査方法は調査票方式。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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