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自家用車で負担に思うもの、税金、保険、そして何より車検代

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 自家用車は便利ではあるが負担も大きい。色々と考えてしまう点も

自家用車の負担に思う費用は車検代がトップ

自家用車を所有して定期的に利用運転するとなると、多種多様な費用が必要になる。自家用車所有者はどのような費用を負担に感じているのだろうか。ソニー損害保険が2016年11月に発表した調査「2016年 全国カーライフ実態調査」(※)の結果から確認していく。

自家用車を所有して定期的に利用運転するのには、多種多様な費用が必要になる。ガソリン代はもちろん、駐車場代、修理代やメンテナンス代。そして保険料や自動車税などの税金に、さらには車検代。

そこで自動車オーナーの調査対象母集団に、どのような経費が負担に感じるかを尋ねたところ、もっとも重い負担を覚えたのは「車検・点検費」だった。ほぼ7割の人が負担だと答えている。

↑ 車の諸経費で負担に感じるもの(複数回答)
↑ 車の諸経費で負担に感じるもの(複数回答)

トップの「車検・点検費」は燃料代や駐車場代、修理代などと異なり、毎月一定額が出費として計上されるものではない。しかし多くは2年毎に、10万円前後の費用が一度に必要となるため、重い負担がかかるとの認識が強い。賃貸住宅における更新料と同じようなものと考えれば、自動車を保有していない人にも理解はできる。

「自動車税・軽自動車税」を負担だと思っている人は63.7%、「自動車保険料」は50.1%。これらは双方とも半数を超えており、自動車保有者の2人に1人以上が負担だと感じている。「修理代」「駐車場代」は2割近くと少なめだが、これは地域によって大きな違いがあるため。後述するが、駐車場代の高い都心部のみに限定すれば、もう少し高い値を示す。

そして第4位には「ガソリン代・燃料代」。運転のスタイルにもよるが、定期的、例えば月一単位で財布の中身を減らしていく。場合によっては週単位で給油が必要な人もいるだろう。負担を感じるのも当然。

ここ数年の変化を見ると、「車検・点検費」は高値安定、「自動車税・軽自動車税」が漸増、「自動車保険料」「駐車場代」「修理代」が漸減、そして「ガソリン代・燃料代」が2014年をピークとしてそれ以降は有意な形での減少を示している。これは2014年夏以降の原油価格の下落に伴い、ガソリン価格が大幅に引き下げられ、その状況が継続していることが大きな要因だと考えられる。

「ガソリン代・燃料代」は年々心理的・実額的な負担増となっており、2014年では「車検・点検費」すら抜いてトップの負担項目だった。それが2015年からは回答率が大きく減り、今回は第4位にまで落ちており、いかに値下がりでプレッシャーが軽減されたか、その実情がうかがいしれる。

↑ 車の諸経費で「車検・点検費」「ガソリン代・燃料費」を負担に感じる割合(複数回答より抜粋)
↑ 車の諸経費で「車検・点検費」「ガソリン代・燃料費」を負担に感じる割合(複数回答より抜粋)

ガソリン価格の下落が自家用車の利用者に与えた実質的、そして心理的影響の大きさを改めて実感できよう。

都市部と地方と、自家用車への負担の想いの違い

自動車の利用コストの観点では、居住地域によって違いが生じるとの意見も強い。今回調査分では回答者の居住地域、具体的には都市部(市・区における人口ランキングの上位都市(1位~8位)となる、北海道札幌市・東京都23区・神奈川県横浜市・愛知県名古屋市・京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市・福岡県福岡市を「都市部」とし、それ以外を「地方」と定義)と地方に区分した上で集計した回答値も収録されている。

↑ 車の諸経費で負担に感じるもの(複数回答)(2016年、回答者地域別)
↑ 車の諸経費で負担に感じるもの(複数回答)(2016年、回答者地域別)

トップが「車検・点検費」、それに続くのが「自動車税・軽自動車税」に変わりはないが、第3位には都市部では「ガソリン代・燃料代」がつくのに対し、地方では「自動車保険料」が入っている。そして何よりも「駐車場代」の回答率が都市部では地方のほぼ2倍に達しており、都市部での駐車場の確保が困難、コスト的に割高であることが改めて確認できる。

とはいえ、自動車利用者の視点では「修理代」と順位が入れ替わる程度。「ガソリン代・燃料代」など上位陣には及ばない、相対的に見れば大きな問題では無いと考えられているのもまた事実ではある。

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※2016年 全国カーライフ実態調査の調査要綱

2016年9月13日から14日にかけて自家用車を所有し月1以上で運転する18歳から59歳の男女を対象に、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比、18歳と19歳・20代・30代・40代・50代の世代構成比は均等割り当て。調査機関はネットエイジア。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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