15~34歳が43人集まると、そのうち1人がニート
数は横ばい、比率は漸増のニート
「ニート」とは「NEET(Not in Employment, Education or Training)」の日本語読みをしたもので、「就業、就学、 職業訓練のいずれもしていない人」を意味する。内閣府が毎年発行している子ども・若者白書では類似概念の「若年無業者」を定義しているが、これは「15-34歳の非労働力人口(求職活動をしていない人など)のうち、家事も通学もしていない者」。求職活動と職業訓練は完全なイコールではないが、目指しているものはほぼ同じで、「若年無業者」と「ニート」は同じ対象を指していると考えても良い。
その「若年無業者」の推移は次の通り。
若年層の人口そのものが減少していることを考慮すると、若年層の若年無業者数がほぼ横ばいで推移している状況は、あまり好ましいとは言えない。実際、若年層全体に占めるニートの割合は増加している。
1995年当時は該当世代の1.2%でしかなかったニートだが、その後上下を繰り返しつつ、比率は漸次上昇。2005年には2.0%に達し、直近の2012年では2.3%に至っている。約20年で比率としてはほぼ倍増。15-34歳が43人集まると、そのうち1人がニートとの試算が出来る。
高齢ニートは漸増中
日本のニートは「数は横ばい」「人口比率は漸増」。一方、ニート状態が継続すると、該当者はそのままさらに歳を経ることになる。「ニート」こと「若年無業者」の厳密な定義からは外れるが、その状態を維持したまま歳を重ねた「高齢ニート」は数の上では漸増する傾向にある。
30代後半以降を「ニート」と称して良いのか否か、根本的な問題はあるが、今後大きな問題になることは確実。現実問題として、一度「ニート」の状態に陥ると、その立場からの脱却は難しい。「高齢ニート」がこれからさらに増加していくことは容易に想像できる。
今後はいわゆる「高齢フリーター」も含め社会全体での対策…望まずしてその立場に陥った人達の就労問題、そしてそもそも論としてニートなどにならざるを得なくなった状況の改善が求められよう。
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