ウクライナ軍 自国製攻撃ドローンで深夜にロシア軍の戦車破壊「迎撃されないために見えない夜に」英国報道
ロシア軍が2022年2月にウクライナに侵攻してから両国の攻撃に軍事ドローンが多く活用されている。両国の軍事ドローンによる空からの攻撃が続いており、ロシア軍はロシア製の軍事ドローン「KUB-BLA」で攻撃を行っており、ウクライナ軍はトルコ製のドローン「バイラクタルTB2」でロシア軍の装甲車を上空から破壊していた。アメリカのバイデン政権は米国製の軍事ドローン「スイッチブレード」をウクライナ軍に100台提供することも明らかにしている。
そのような中、英国メディアのザ・タイムズによると、ウクライナ軍の精鋭ドローン部隊はウクライナで開発された軍事ドローンで「Punisher(罰する人)」とも呼ばれている「PD-1」を活用して、深夜にロシア軍の戦車を破壊している。ロシア軍の兵士も目視で上空を確認して迎撃することが容易ではないので、夜にドローンで上空からロシア軍を襲撃している。
「Aerorozvidka」と呼ばれている2014年に創設されたウクライナ軍の精鋭ドローン偵察部隊が軍事ドローンを操作して攻撃を行っている。ウクライナの街の中で住宅の間に隠されている戦車や装甲車を上空から検知して精確に攻撃をしている。キエフのウクライナ軍のヤロスラフ・ホンカー氏は「我々のドローンを見つけることが難しい夜に、私たちはロシア軍が寝ている夜に襲撃しています。精確に攻撃を行ってダメージを与えることができます。どのような村に隠れていても赤外線で発見することができます」と語っていた。またウクライナ軍の軍事ドローンは衛星で通信を行っているので、ロシア軍による電力や通信網の物理的な破壊やサイバー攻撃による機能停止などの影響を受けない。
上空からの軍事ドローンの攻撃に対抗するために、ドローン迎撃の銃などドローン防衛の兵器も多い。そのようなドローン迎撃システムは電波妨害によってドローン機能を停止したり、攻撃してくるドローンを撃ち落として破壊する。だが、夜の暗がりでは上空も見えにくいためロシア軍も迎撃することも容易ではない。
▼ウクライナで開発された軍事ドローン「PD-1」
▼ウクライナ軍のドローンによるロシア軍への攻撃(英国ザ・サン)