公立中学では7割超えが塾通い…塾や家庭教師の利用度、相場の現状を探る
家庭教師は小学生では3人に1人、中学生では4人に1人
学校の勉強の補完、そしてさらなる高みへの挑戦のため、学習塾や家庭教師のお世話になる子供は多い。その現状を文科省の調査「平成26年度子供の学習費調査」の結果から探る。
今件資料では家庭教師と学習塾に関して、年間の支払額の分散値と「支払い者のみにおける」平均額が記されている。前者は「ゼロ円」項目もあり、特殊事例を除けば(親族などが無償奉仕の形で家庭教師を行う)この項目該当者が「利用していない」と考えて問題は無い。
まずは家庭教師について。
家庭教師利用率は私立・公立でさほど違いは無い。中学校で唯一公立学校通学者の方が利用率が高くなる。これは公立学校に通う子供は高校受験が大きなハードルとなるため、そのクリアを確実なものとするべく、打てる手は極力打っておくべきであるとする考えによるもの。
一方額面は私立の方が高く、特に小学校では2倍近く差が出ている。私立小学校における10万6000円は、概算で月額は約8800円。もっともこれは年間で押し並べて利用しているとの前提であり、例えば受験直前の半年間のみ家庭教師をお願いするケースも多分に考えられる。また回答動向の詳細を見ると、例えば私立高校では全体比で0.8%、支払い者内では4.5%の人が年間40万円以上(月額3万3000円以上)の支払いをしている。
公立中学では7割超えの塾通い
続いて学習塾について。
小学生以上で学習塾の利用率は、家庭教師よりも高い。子供サイドもコミュニケーションの場としての利用もできること、気分転換になることなどから、家庭教師よりは塾を好む傾向があるのだろう。また、講師の質がそれなりに事前に分かる(保護者側の)メリットもある。家庭教師では質による事前選別が難しい。
公立・私立別では利用率・平均支払額共に、中学生のみ公立学校の方が上の傾向がある。これもまた、家庭教師の項目で解説した通り、公立学校生においては高校受験が天王山的なところがあるため。高校では再び私立の方が上となっているが、これは大学受験への備えの際に、より多くの支出ができ得る環境だからと考えられる(元々学校の授業料などから成る「学校教育費」、そして子供の学習全体にかかる「学習費総額」とも、公立より私立の方がはるかに高い。それだけ支出可能な環境にある)。
ちなみに学習塾の高額分散に関してだが、たとえば高校生の場合、公立では学習塾利用者の26.0%、私立では36.7%が、年間40万円以上(月額3万3000円以上)の支払いをしている。保護者にすれば、決して小さくない負担額に違いない。
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