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Apple、ワーナーミュージックとiRadio開始へ向けて契約合意--レコード会社への提案内容は何?

ジェイ・コウガミデジタル音楽ジャーナリスト
via Flickr
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Appleはワーナーミュージックと出版部門のワーナー・チャペルと音楽ストリーミングサービスのライセンス契約で合意しました。これによって、Appleが開発する新しい無料の音楽サービス「iRadio」のローンチが実現に一歩近づきました。CNETがレポートしています。

Appleは6月10日(現地時間)に開催予定の開発者向けカンファレンス「WWDC」でiRadioを発表するために、レコード会社と出版会社とライセンス契約で交渉を進めて来ました。

ワーナーミュージック・グループは大手メジャーレコード会社の中で音楽事業と出版事業の両方で合意した最初のレコード会社になります。

==Appleの提案内容==

Appleは先月世界最大のレコード会社ユニバーサルミュージックとライセンス契約で合意しています。一方でソニー・ミュージックとその出版部門Sony/ATVとは現在も交渉が続いている(難航しているとの話も)と言われています。

先日フィナンシャル・タイムズによるレポートでは、Appleはストリーミングサービスを開始するにあたって、ストリーミング再生100回に付き6セントのロイヤリティ料をレコード会社に支払う内容を提案していました。しかしその後Pandora Radioが現在支払っているロイヤリティと同額になる12.5セントに引き上げたと言われています。一方で、音楽業界から見た場合、Appleが提案する総合的なオファー内容は音楽ストリーミングサービスで競合する米国最大規模のPandoraが現在支払うロイヤリティ金額よりもはるかに魅力的な内容と言われています。伝わってきた内容によれば、Appleのオファーはライセンス料支払いに加え、

・音楽サービス向け広告収益のシェア

・グローバル展開( Pandoraは未だ実現していない)

・ラジオサービスとiTunesの連携(購入機能付き)

が含まれると言われています。これらのオファーがレコード会社には音楽ダウンロードビジネスに加えて音楽ストリーミングビジネスからの新たな収益源をもたらしてくれます。また現在iTunesには5億人分のアカウントが設定されており、Pandoraのユーザー数とは規模で大きく優ることも、レコード会社にとっては魅力の一つです。

音楽ストリーミングサービスの分野は今、最も競争の激しく参入が多いビジネスになろうとしています。先月Googleは独自の音楽サービス「Google Play Music All Access」を発表し、音楽ストリーミングサービスビジネスに本格参入しました。その他にも市場ではSpotifyやRdio, Deezerに加えPandora, iHeartRadioなどネットラジオもサービスを提供しています。

これまでデジタル音楽市場をリードしてきたAppleの新サービスには期待したいです。WWDCの発表が楽しみになってきました。

デジタル音楽ジャーナリスト

専門は「世界の音楽ビジネス、音楽業界xテクノロジー」の執筆・取材・リサーチ。音楽ビジネスメディア「All Digital Music」、音楽業界専門のマーケティング支援会社「Music Ally Japan」や、音楽ストリーミング・データ分析プラットフォーム「Chartmetric」日本事業展開も担当。グローバル音楽業界、レコード会社、ストリーミングサービスのビジネスモデル、トレンド分析、企業分析に関する記事執筆多数。

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