【泉佐野市】昨年参加者100人超!大人気「お味噌作ろう会」の“自分でつくる味噌”の魅力
“長寿国” 日本を支える代表的な食材のひとつ「味噌」。
その「味噌」を手づくりする会が今とても人気で参加者があとを絶たないよう。
今回は、泉佐野市日根野にある「ヒトネ味噌」を訪問し、「お味噌作ろう会」の様子を取材いたしました。
午前10時すぎ。「お味噌作ろう会」の参加者のみなさんが準備をはじめています。
今回の参加者は、おとな4人に小さな子ども1人と赤ちゃん。子ども連れの方は親子3世代でご参加とのこと。
「ヒトネ味噌」代表の真砂さんが、味噌づくりに必要な材料、工程の説明をされています。材料は、大豆、米麹、塩、この3つ。余計なものは一切入らずシンプルです。
「みなさん、よかったら大豆を食べてみてください」と真砂さん。
「あま~い!」と驚きの声。
使用しているのは北海道産の大豆。「大豆を水に浸し、茹でただけでこんなに甘いんですね!」と、一つ一つの素材がもつ力を確かめていく参加者のみなさん。
「次は、米麹を袋の上から砕いていきましょう」と真砂さん。
「麹菌」は、国で認められた“国菌”。かたまりになっているものを選ぶと良いそうです。
米麹のかたまりがパラパラになるまで砕いていきます。
真剣な表情の参加者のみなさん。“自分で味噌をつくる”という期待感や緊張感がひしひしと伝わってきます。
次に大豆をペースト状にしていきます。
実はこちらの道具、お肉をミンチにする際に使用する道具なんだとか。ニョキニョキと出てくるペーストされた大豆の様子が楽しく、徐々に和やかなムードに。
不思議~。
わたしにもやらせて♪ 楽しそうですね!
「砕いた米麹に塩を入れますよ~」と真砂さん。
「ヒトネ味噌」では、ちょっと特別な“添加物不使用”の塩を使用しています。
この塩を使った味噌は、一般的に「薬膳味噌」と呼ばれているとのこと。
一つ一つの材料を厳選し、カラダへのやさしさを考慮した素材でつくる味噌。
自分や家族のカラダのこと、これからの暮らしのこと、想いを巡らせながら丁寧に作業を進めます。
「それでは、大豆、米麹、塩を混ぜていきますよ~」と真砂さん。
“自分でつくる味噌”は人によって仕上がりが異なるそうです。人それぞれ持っている菌(常在菌)が違うため、味や仕上がりに差がでるのだとか。
「今は、どこへ出かけても手洗い、消毒が必要ですから手の菌も少なめです。自分の菌はいい働きをしてくれるから味噌づくりでは積極的に触ってほしい」と真砂さん。
同じ目的を持ち、集まった参加者のみなさん。手づくりの楽しさを分かち合いながら子育ての話にも花が咲きます。
あらあら、ご機嫌ななめかな? 「お味噌作ろう会」は、真砂さんのご自宅で開催されています。アットホームな雰囲気だから、お友達の家に遊びにくる感覚で参加できるのも魅力の一つ。
赤ちゃんがゆったり寝ころべるスペースもあるからおかあさんも安心です。
いよいよ味噌づくりも終盤にさしかかってきました。しっかり空気を抜くために丸めていきます。“味噌床”に空気が入るとカビの発生の原因になるそうです。
まずは丸めて、しっかり空気を抜いていきます。
粘土遊びをしているみたいだね♪ 子どもの菌は元気なんだって!
丸めた味噌を容器に詰めながら手で押し、入念に空気を抜いていきます。
部屋いっぱいに漂うおいしそうな味噌の香り。早くお味噌汁が飲みたい!と高揚感を隠しきれない参加者のみなさん。
ここで真砂さんが、10月に仕込んだ味噌(10kg)を奥から出してくださいました。
わー、つやつやでいい色~、熟成していますね~!
「ちょっと、実験してみますね」と真砂さん。
炊いたお米に“市販の味噌”を混ぜたものと、「ヒトネ味噌」の“手づくり味噌”を混ぜたものを用意します。
わ、不思議! “手づくり味噌”とお米を混ぜた方は、水分がどんどん出てきます。
“市販の味噌”とお米を混ぜたものからはほとんど水分が出ることはなく、固まってしまいました。
「これが“麹”が生きている証です。市販の味噌は長期保存するために加熱やアルコール殺菌されたものが多く、麹が死滅してしまっているものがほとんど。生きた味噌を食べなければ、美肌や免疫力アップにはつながりません。ちゃんとした味噌を食べないと健康効果も出ないんです」と真砂さん。
アルミのパウチに半量ほど入れた手づくり味噌が…
増えています! というより、育っています! ほんと、生きていますね!
日本人の長寿の立役者でもある“味噌”。“ちゃんとした味噌”を選ぶという意識、みなさんはありましたか?
つくる工程で出てきた水分を別容器にすくって保存しておいたものがコチラ。
醤油です。
真砂さんは、この醤油をいろいろな料理に活用されているそうです。
味噌をつくる過程でできた“副産物”も大切に使いたいですね。
水分はそのまま味噌に混ぜ込んでも良いとのこと。自分好みに仕上げられるのも手づくりの良いところですよね。
出来上がった味噌の自宅での管理方法は、涼しい場所に置いて、話かけてあげること。
「おいしい味噌に育ってね~」
「今日もいい子だね~」とこんな感じで。
真砂さん曰はく、水の結晶は良い言葉をかけた結晶と、悪い言葉をかけた結晶でカタチが変わるそう。味噌にも水分が含まれていますから、良い言葉がけでおいしい味噌に育つのかもしれませんね。なんか子育てと似ていると思いませんか?
もし、カビが発生しても慌てなくて大丈夫。カビの部分をそっとすくってラップの真ん中あたりに冷蔵庫にある“アレ”を置くと良いそうです。
“アレ”の正体は、「お味噌作ろう会」で発表がありますのでご安心を♪
その他、ご自宅で“お困りごと”が起きた際はいつでもご相談くださいとのこと。
味噌は早くて3カ月ほどで食べられるのだとか。
*仕上がり時期は、気温によって異なります。
家族と暮らす家でじっくりと熟成されていく味噌。
3カ月の間、どんな声をかけられ、なにを見て育つのでしょうか。そしてお味は? “自分でつくる味噌”は、“〇〇家オリジナルの味噌”に育っていくようです。
わ、なんか手がすべすべしている!と、味噌を仕込み終わった参加者の一人から驚きの声が。
すごい!手首から上が真っ白です。女性にはうれしいおまけですね!
3人のお子さんのお母様でもある真砂さん。
長男長女さんの発育不良があり、市の検診で内科の先生に注意されたことがきっかけで味噌づくりをはじめたそうです。
「その頃のわたしはもう必死で。保健センターで推奨されていた30品目の食事を毎日作るなど、食事づくりは完全に義務化していましたね。そんなときに手づくり味噌に出逢ったんです。その時は、ただ楽しく続けられるという想いだけでしたが、その後発覚した次男の発達遅延がわたしの“手づくり味噌”への想いを加速させました。
アプローチを変えて、まず腸内環境を整え、鉄分・ミネラルを補給させようと考えたんです。義務化した食事づくりから解放してくれたのが“手づくり味噌”でした。
手づくり味噌は素材の持つおいしさを存分に味わえるから、お椀に味噌と乾物を入れてお湯で溶かすだけでも十分おいしいですよ。子どもたちも“自分でできる!”と、どんどん味噌汁を飲んでくれるようになりました」と真砂さん。
「お味噌作ろう会」をはじめて6年。子どもたちも健やかに成長しているとのこと。
なにより、真砂さんが明るい! 参加者のみなさんが味噌をつくっている脇で繰り広げられる“真砂おかんワールド”にみなさんの笑いも止まりません。
おかあさんが明るく過ごすことが家族にとって一番の栄養なのかもしれませんね。
ただ味噌をつくるだけでなく、たくさんの“おまけ”が付いてくる「ヒトネ味噌」の「お味噌作ろう会」。つくる楽しみ・食べる楽しみ・育てる楽しみに加えて、みなさんとのおしゃべりや、いろんな“おまけ”もお楽しみのひとつです。
「お味噌作ろう会」(寒味噌)は、毎年11月~2月頃まで定期的に開催されています。
今年で6年目を迎え、口コミは徐々に広がり昨年の参加者はなんと100人を超えたそう。しかもリピーターさんになる方がほとんどだとか。7月には「金山寺味噌を仕込む会」も開催され、“金山寺味噌の手づくり会はめずらしい”と、毎回遠方からの参加者も多数訪れるそうです。
いろいろなことが便利になった昨今、暮らしの中で “つくり、育てる” よろこびを味わう機会も少なくなったように感じます。
「お味噌作ろう会」は“豊かな暮らし”の本当の意味を見つめなおすきっかけになるかもしれませんね。
【基本情報】
「ヒトネ味噌」の「お味噌作ろう会」11月~2月 開催
公式インスタグラム(外部リンク)
寒味噌5kg強仕込み(材料費込み) 6500円(税込)、*容器(5kg用) 3800円(税込)
*容器はご自身でご準備いただくことも可能ですが、「ヒトネ味噌」では世界基準をクリアしている安心・安全な容器の使用を推奨しています。
取材協力 「ヒトネ味噌」代表 真砂 圭様、「お味噌作ろう会」参加者のみなさま
*記事内容は取材当時のものです。開催日、最新の情報はインスタグラムよりご確認ください。
*「お味噌作ろう会」は自宅での開催となるため住所は非公開となります。
詳細、お申込みにつきましては、インスタグラムDMよりお問い合わせください。