【宇部市】市内で八十八ヶ所巡り?!弘法大師様にご挨拶してまいりました。
八十八ヶ所というと、一般的には「四国霊場八十八ヶ所」の事ですが、それは空海(弘法大師)ゆかりの仏教寺院を巡礼することを言います。なぜ八十八ヶ所かというと、諸説ありますが、人間の煩悩の数とも考えられています。簡単に言うと、八十八ヶ所巡礼することで煩悩が消え、願いが叶うのだそうです。
今のように交通手段が便利ではない時代には、地元の人たちもお参りできるよう、各地に小さな八十八ヶ所が作られました。県内では、山口市に秋穂八十八ヶ所というのがありますが、実は宇部市にもあると聞き、訪れてみました。
上宇部小学校からときわ公園の方に続く道沿いにあるのですが、この道を通ったことはあっても、ここに八十八ヶ所があるとはご存じない方も多いのではないでしょうか?
車で通るといつも、赤いのぼりがたっていて、最近は「宇部市100歳」のぼりもあるので、何があるのかな?と気になっていました。
坂を上っていくと、お堂がありました。
なんと、弘法大師様がおられるではないですか!
こちらは、「山門八十八ヶ所」というようです。何と徳川時代に建立され、この場所に移ってきたのは、明治のこと。なんとも歴史があります。
お堂の中に弘法大師像があり、外に87体の御地蔵が並んでいます。ここで、八十八ヶ所巡りができる?!
弘法大師空海といえば、歴史の授業で習いますね。遣唐使として中国で密教を学び、和歌山県の高野山にて真言宗を開きました。また、優れた書家としても有名で、日本の三筆の1人です。「弘法筆を選ばず」ということわざは、空海のことを表しています。書道愛好家の私にとって、こんな近くに空海師匠がいらっしゃったとは!という驚きでした。
お堂の天井には、今年の干支、「寅」の書が!
私も、書道の達人にあやかりたく、しっかりご挨拶をさせていただきました。
山門八十八ヶ所は、地元の方々によって大切に管理されているようで、とてもきれいに整えられていました。静かに弘法大師様と向かい合って過ごすひとときは、気持ちが落ち着く時間になりました。いろいろ不安定な世の中なので、弘法大師と87体の御地蔵様に手を合わせ、「平和でありますように」と、祈らずにはいられません。
このような歴史ある場所が身近にあったなんて、まだまだ知らないことが多いなと思った今回の取材でした。
山門のお大師様(八十八ヶ所)
宇部市大小路2丁目付近
*国道490号線、大小路交差点を上宇部小学校方面に進み、1キロ程度のところにあります。