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吸血ハエ「ヌカカ」に注意!知らなかった驚愕の事実とその防ぎ方

TOUYA化学系研究者

吸血昆虫「ヌカカ」とは?

ヌカカは、体長1〜2ミリと非常に小さな吸血性昆虫で、ハエの仲間に属しています。名前の通り「糠粒のように小さい蚊」という意味で「糠蚊」と書きます。日本には約40種類が生息しており、一部のメス成虫がヒトや家畜を吸血します。

ヌカカは、網戸をすり抜けるほど小さく、飛んでいる姿もほとんど見えず、羽音も聞こえないため、知らないうちに衣服の中に入り込んで刺すことがあります。そのため「スケベ虫」や「エッチ虫」とも呼ばれることがあります。特に、湿度が高く無風の日の朝や夕方に活発に活動します。また、最近話題となっている「オロプーシェ熱」を媒介することでも知られています。

オロプーシェ熱とは?

オロプーシェ熱は、中南米で広がっている熱性疾患で、オロプーシェウイルスが原因です。このウイルスは節足動物を介して伝染し、主にヌカカによって人に感染します。

ヌカカの主な種類

日本に生息するヌカカには、以下のような種類があります。

  • イソヌカカ:主に磯や堤防などの海岸地域に生息し、釣り人が多く被害に遭います。
  • ニワトリヌカカ:ヒトにも吸血しますが、特にニワトリを好んで吸血し、ニワトリの寄生虫病であるロイコチトゾーン病を媒介します。
  • ウシヌカカ:妊娠牛に流産や死産を引き起こすアカバネ病のウイルスを媒介します。

ヌカカによる被害

ヌカカに刺されても、すぐには気づかず、かゆみもほとんど感じません。しかし、翌日以降に激しいかゆみが現れ、数日間続くことがあります。ヌカカは集団で活動するため、一度に複数箇所を刺されることも珍しくありません。場合によっては、発疹や水ぶくれが生じることもあり、完治までに1週間以上かかることもあります。かゆみが長引くと、慢性の皮膚疾患に発展する可能性もあります。

ヌカカから身を守るための対策

  • 虫除けスプレーの使用:DEETやイカリジンを含む虫除けスプレーを使用し、肌に直接塗布することが重要です。
  • 適切な衣服の着用:長袖や長ズボンを着用し、首にタオルを巻くなど、肌の露出を最小限に抑えましょう。湿地帯や水辺での活動時には特に注意が必要です。
  • 屋外活動の時間帯を選ぶ:ヌカカは朝と夕方に活動が活発になるため、その時間帯の屋外活動を避けるか、十分な対策を行いましょう。
  • 室内への侵入防止:ヌカカは網戸をすり抜けるため、室内でも刺されることがあります。光に誘引される性質があるため、窓からの光漏れを防ぎ、窓ガラスや網戸に専用の虫除けスプレーを使用することが効果的です。

まとめ:吸血昆虫「ヌカカ」とは?

ヌカカは非常に小さく見逃しやすいですが、その刺し口は強いかゆみを引き起こします。ヌカカが多く発生する地域では、虫除けスプレーの使用や適切な衣服の着用、さらには室内への侵入防止策をしっかりと行い、被害を最小限に抑えることが大切です。

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの医学系研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。科学やAIを活用したお役立ち情報を書いていきます!

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