「暇空茜」氏敗訴、のりこえねっとなどに合計110万円の支払命令 著作権侵害訴訟
団体が著作権を持つ画像を動画の中で許可なく使用されたとして、人権団体「のりこえねっと(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)」が、「暇空茜」を名乗る男性を著作権侵害などで訴えた民事訴訟の判決言い渡しが東京地裁中目黒庁舎で行われ、杉浦正樹裁判長はのりこえねっとの訴えを認め、「暇空茜」(本名・水原清晃)氏に合計110万円の支払いを命じたほか、この画像の写真使用や公衆送信を禁じた。
暇空氏はのりこえねっとが自身のYouTube動画に対して著作権侵害の申し立てを行ったことについて、虚偽の申し立てとして2022年12月に提訴。しかし2023年8月の判決で、のりこえねっとに著作権があることが確認され、暇空氏が敗訴していた。今回の敗訴でのりこえねっとに対しては2回目の敗訴となる。
発端は暇空氏がYouTubeの中で一般社団法人Colabo代表・仁藤夢乃氏の画像を使ったこと。この画像はのりこえねっとが制作したインタビュー記事に使用するため外部カメラマンが撮影したものであり、画像の著作権者である「のりこえねっと」がYouTubeに著作権侵害の申し立てを行い、2件が受理された(2022年12月19日)。
しかし暇空氏はこの申し立ては虚偽であり、著作権者はのりこえねっとではないとして2022年12月23日に提訴。裁判では、著作権を持つことを示したのりこえねっと側に対して暇空氏側からの反論がなく、暇空氏の訴えは棄却されていた(2023年8月24日判決)。
今回判決が出た訴訟は、のりこえねっとが暇空氏を著作権侵害などで訴え、合計411万9500円の損害賠償を求めたもの。裁判所は、のりこえねっとの訴えを認め、暇空氏に対して、のりこえねっとに77万円、カメラマンに33万円の支払いを命じた。
<暇空氏とColaboに関係する主な訴訟>
2023年8月24日判決
(原告)暇空氏 (被告)のりこえねっと
→のりこえねっとに著作権があることが確認され請求棄却(暇空氏敗訴) ※控訴なく確定
2024年1月28日判決
(原告)暇空氏 (被告)北原みのり氏
→暇空氏が訴えたColaboを支援するアカウントは北原氏が運用していたものではないことなどから、請求棄却(暇空氏敗訴) ※控訴なく確定
2024年2月5日判決
(原告)暇空氏 (被告)伊藤和子弁護士
→伊藤弁護士のツイッター(現X)での投稿を名誉毀損とする暇空氏の訴えは認められず、暇空氏敗訴 ※6月20日に控訴棄却で確定
2024年7月18日判決
(原告)Colabo (被告)暇空氏
→暇空氏の投稿を「デマ」とするColaboの訴えが認められ、暇空氏敗訴 ※暇空氏が控訴
2024年8月1日判決
(原告)のりこえねっと (被告)暇空氏
→暇空氏の著作権侵害を訴えたのりこえねっとの訴えが認められ、暇空氏敗訴
関連記事:
「暇空茜」氏敗訴 合計220万円の支払い命令 対Colabo訴訟(2024年7月18日)
暇空茜氏、のりこえねっとを訴えた裁判で敗訴 「不法行為」との主張認めず(2023年9月5日)
トナカイさんへ伝える話(143)暇空茜さんの訴えが棄却される→提訴時はあんなに盛り上がってたのに…(2023年8月26日/途中から有料記事)