ヤマハと米ノースロップ・グラマン、無人ヘリで協業
米航空宇宙大手のノースロップ・グラマン社は8日、日本のヤマハ発動機と無人ヘリコプターの分野で協業することを発表しました。
ノースロップ・グラマン社はヤマハの無人ヘリRMAXをベースに、自社の自律制御・情報収集技術を併せたRotary-Bat(R-Bat)の初飛行を完了し、その様子をYouTubeに公開しています。
R-Batの原型となったRMAXは、1997年にヤマハ発動機が開発した無人ヘリコプターで、2001年には自律飛行型、2003年には改良型のRMAX Type IIGが開発されています。国内では水田への農薬散布で高いシェアを誇り、現在までに2,400機が水田の約40%に農薬散布を行い、農業の高効率化に貢献しています。今回の発表でノースロップ・グラマン社は、提携によって、農薬散布に加えて、送電線の点検や、捜索救難といった新たな用途への道が拓かれたとしています。
公開されたR-Batの外見は、原型のRMAXの農薬散布装置に代えて、複合センサーを搭載したジンバルが取り付けられている事が分かります。昨今は無人機による攻撃が問題になっており、今回の提携相手は軍需産業でもあるノースロップ・グラマン社である事からも、軍事転用の恐れを心配する向きがあるかもしれません。しかし、原型のRMAXの搭載可能重量の小ささから、攻撃兵器の搭載は難しいと考えられます。実際にRMAXはイラク派遣中の自衛隊でも使われましたが、自衛隊宿営地周辺の警戒監視がその任務でした。
原型となったRMAXは世界的に見ても成功を収めた無人ヘリで、今回の提携を機に世界市場でも存在感を増すことが期待されます。
※この記事は、dragoner.ねっと「ヤマハと米ノースロップ・グラマン、無人ヘリで協業」のYahoo!ニュース向け配信版になります。