あらためて、日銀の金融政策の正常化とは何か
日銀は3月か4月の金融政策決定会合でのマイナス金利政策の解除を行う可能性が出てきた。これは8日の日銀の内田真一副総裁による奈良市での金融経済懇談会での講演の内容からもうかがえる。
1月の決定会合の主な意見からも、内田副総裁と事務方執行部はマイナス金利政策の解除を含む正常化を前提に準備を進めていることを示すような内容となった。
また、政府内にマイナス金利解除を容認する考えが広がってきたとの日経の記事があった。昨年12月にはやや怪しい動きもあったようだが、自民党もそれどころではなくなっている側面もあり、マイナス金利解除に政府から横やりを入れられる可能性は薄くなっている。
ということで早ければ3月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を含む正常化への動きに歩を進める可能性が強まってきた。6月、7月まで様子をみるとの見方もあるが、市場はすでにマイナス金利解除を織り込みつつあり、時間を掛けるとむしろ不確実性を増加しかねない。
異例の金融緩和策の柱は、2016年に始まったマイナス金利政策と長期金利コントロール政策の2本である。長期金利のコントロールを主体としたイールドカーブコントロールについては、目標値を1%の目途としたことで形骸化した。これを完全に撤廃できるかどうか。
そしてマイナス金利政策については、日銀の当座預金に付く利子、いわゆる付利の付け方で三層構造としたが、それをマイナス金利以前の一本化に戻すことが予想される。その際の付利をプラス0.1%にする可能性がある。
そして、公表文にあるフォワードガイダンスの修正も行うと予想される。
下記は1月23日の金融政策決定会合の公表文にある文章である。
「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。
これは下記のような修正がされるのではなかろうか。
「物価安定の目標」を安定的に持続するために、実質的な金融緩和を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるよう、必要な規模を継続する。引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、状況に応じた金融政策の調整を講じる。
マネタリーベースについては、これ以上の拡大は必要ない。本来であればテーパリングも必要となろう。国債の買い入れペースは落とし、償還分で少しずつ減額を行うとともに、ETFとREITの新規買入はストップさせる。さらに株価の上昇に応じたETFの処理についても検討する必要があろう。