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【京都市】祇園祭後祭の鉾建て 姿を現した大船鉾 鷹山はご神体の装束を新調 神々遷座の神輿は御旅所へ!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 2023祇園祭も後祭の山鉾が出揃い、7月21日からは24日の山鉾巡行まで宵山に入りました。後祭で巡行するのは、橋弁慶山、南観音山、浄妙山、八幡山、鯉山、北観音山、黒主山、役行者山、鈴鹿山、鷹山、大船鉾の11基。通常開催下では復帰後初めてとなる鷹山や掉尾(ちょうび)を務める大船鉾など話題の山鉾も多く楽しみな巡行となりそうです。

 さて、7月17日の前祭の夕刻に八坂神社の舞殿を出発した三基の神輿は、新京極商店街四条通側の入り口の向かい側にある御旅所に24日まで鎮座されています。中御座には素戔嗚尊(スサノオノミコト・牛頭天王)、東御座にお妃の櫛稲田姫命、西御座に八柱御子神の御神霊をそれぞれ神輿の鳳輦(ほうれん)に遷座しています。

 西御座の子ども神輿や八坂神社(京都市東山区)の氏子団体として神輿渡御(みこしとぎょ)に奉仕する「宮本組」の神宝捧持(ほうじ)なども展示されていました。京都市中心部に広がる八坂神社の氏子区域のうち、神社お膝元である祇園町の氏子による組織が宮本組です。神様のお旗本衆として、神職を補佐し、神輿を先導する重要な役目を承ってきました。2023年に初めて組員以外からも行列先導のボランティアを応募したところ80人枠を大幅に越える応募があったそうです。

 2023年7月20日に鉾町を歩いてみました。三条通新町東入ルの鷹山、「そこの三番取って」などの声を掛け合いながら、まだ真新しい真木を組み上げ、最後の仕上げにかかっていました。2023年は、ご神体人形3体の装束を新調し、江戸期の図や文献を参考に、小袖や狩衣(かりぎぬ)、指貫(さしぬき)がよみがえっています。

 応仁の乱(1467)以前に山鉾巡行に参加していたという鷹山は、鷹狩を現した山です。元治元年(1864)の「蛤御門の変」による火災で、山や懸装品の大部分を失いました。2022年に約200年ぶりに巡行に復帰し話題となりましたが、祇園祭通常開催での巡行は今年が初めてとなります。

 四条新町下ルには大船鉾が姿を現していました。この日は、車輪を入れて南北100メートルほど鉾を動かす「車掛け」の後、鉾の懸装品を付け曳き初めが行われました。曳き初めが終わると彦を埒(らち)で囲み、駒形提灯を建て、会所飾りを施して宵山を迎えます。前祭の船鉾が神功皇后の出陣を表すのに対し、後祭の大船鉾は戦に勝った凱旋の船を表すとされています。

 応仁の乱より以前から続いていた大船鉾も元治元年(1864年)の禁門の変により木部など多くを焼失、以後は休み鉾となっていましたが、平成26年(2014年)7月24日に150年ぶりに復興を遂げ、祇園会の巡行列の掉尾を飾りました。大船鉾の復興により、この年より古来よりの後祭が復活することとなりました。

 後祭の宵山では露店は出されませんが、各鉾でちまき授与や記念品の販売、鉾町と周辺にある飲食店などでは出店が出されるようですので、前祭とはまた違った雰囲気でお楽しみください!

公益財団法人鷹山保存会(外部リンク)京都市中京区三条通新町東入衣棚町41番地

公益財団法人 四条町大船鉾保存会(外部リンク)京都市下京区新町通四条下る四条町355番地 075-361-8130

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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