高齢者の総人口比、初めて1/4超に・3296万人で過去最高(2014年)
9月15日の敬老の日に先駆けて総務省統計局は人口推計など各種統計データの最新値を基にした、日本の高齢者動向をまとめたレポート「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-」を発表した。それによると、2014年時点における日本の高齢者数は3296万人となり、総人口比の25.9%となった。これは過去最高の値を示している。
今レポートによれば2014年9月15日時点で高齢者人口は3296万人で、前年10月1日の3190万人から106万人も増加している。これは「団塊の世代」(1947年から1949年生まれ、第一次ベビーブーム期)のうち最後の年にあたる1949年(昭和24年)生まれの人が、高齢者層に仲間入りしたのが主な原因。
また2014年においては総人口に占める高齢者の割合がはじめて25.0%を超え(2013年には25.0%となり、1/4に達した)、「4人に1人以上が高齢者の時代」が到来したことになる。
今レポートでは他にも各種統計結果から、高齢者の動向が多彩な切り口で語られている。概要は次の通り。
・東京都、大阪府、福島県などで他地域への転出増加。埼玉県、千葉県、茨城県で転入増加。震災被災地域や大都市圏からの流出、都市近郊への流入傾向が続く。宮城県は昨年転出超過だったが今年は転入超過となった。
・高齢者の就業率は男性28.6%、女性13.7%。男女とも前年から増加。15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合は10.1%、比較可能な1968年以降では過去最高。そのうち非正規社員率は約7割(役員除く)。
・高齢単身世帯の共同住宅割合は増加中。
・子供世帯が住む住居との間の距離感が近づきつつある。
・高齢者の約半数は高齢者などに配慮した住宅設備のある住宅に住んでいる。
・都道府県間移動率は男性が65-69歳と90歳以上、女性は80歳以上で高め。
・世帯全体と比較すると高齢者世帯では保険医療費や交際費が高め。
・高齢者世帯でもインターネットを利用した支出総額が増加中。11年間で4.3倍、直近データの2013年では年間2万5000円近く。
「団塊の世代」の高齢者層入りは今年2014年までのため、高齢者人口、総人口に占める高齢者の比率の加速的増加は今年で終わりとなる。ただしそれ以降も純増することに違いは無く、今回の発表では2025年には高齢者は総人口比で3割、2035年には1/3を超えることになると予想している。
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