東北地方も梅雨明け秒読み 来週は暑さに注意 8月は高気圧が弱まる可能性も
今年は「陽性の梅雨」に近い
天気を勉強したことがある人であれば、「陽性の梅雨」「陰性の梅雨」という言葉は、一度は聞いたことがあると思います。
「陽性の梅雨」とは、ザっと強い雨が降ったかと思うと、晴れて暑い日もある、メリハリのある梅雨のことで、西日本はこのタイプであることが多いです。
「陰性の梅雨」とは、曇りや雨が何日も続いて、弱い雨がシトシト、少し肌寒さもある梅雨で、東日本や北日本で多く見られます。特に東北地方の太平洋側は、梅雨になると「やませ」と呼ばれる冷たい北東風が吹き、日照不足になることもしばしばです。
しかしながら今年は、いわゆる「梅雨寒」がほとんどなく、長袖が活躍する場面がありません。冷涼な空気をもつオホーツク海高気圧が、ほとんど現れなかったことが要因です。宮城県でいえば、この1ヵ月の気温は平年を3度前後も上回り、日照時間も平年と比べて多くなっています。かと思うと、時折、雷を伴うようなザっと強い雨も降り、今年は西日本で見られるような「陽性の梅雨」に近い印象です。
梅雨明け秒読み 来週は暑さに注意
週間予報では、東北地方各地も晴れが並び、梅雨明けも秒読み段階に入りました。来週にかけて太平洋高気圧が強まるため、東北地方も暑さが厳しくなり、内陸部を中心に35度くらいまで気温が上がる予想です。熱中症には十分ご注意ください。また、来週後半は、高気圧に覆われながらも湿った空気が流れ込みやすく、晴れていても急な雷雨が起こる可能性があります。山や海のレジャーは、天気の急変にも注意が必要です。
8月に戻り梅雨?
この先の天候で一つ気になるのが、8月の天候です。現在、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が発生しています。エルニーニョ現象が発生すると、日本付近に張り出す太平洋高気圧の勢力が弱まる傾向があり、その影響が徐々に出てくる可能性があります。
やや専門的になりますが、下の図は、8月の気圧の平年差を表したものです。暖色が平年より気圧が高い場所、寒色は平年より気圧が低い場所です。
日本の南は黄色やオレンジで、気圧が高くなっています。太平洋高気圧が日本の南で西へ張り出し、沖縄や奄美は晴れて暑くなることが予想されます。
一方で、北日本周辺は水色で、気圧の低いエリアが、東西に帯状に連なっています。これは、高気圧が弱く、前線や低気圧の影響を受けやすいことを暗に示しています。
まだ不確実な部分は多いですが、8月は曇りや雨が多くなる可能性があり、今後もまだまだ大雨には注意しておいた方がよさそうです。