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夜の世界で働くキャストのみんなへ 10万円はもらえた? 家賃は払えそう? 本当に切迫してない?

與那覇里子沖縄タイムス デジタル編集委員
閑散とする那覇の歓楽街「松山」の様子=2020年8月5日(筆者撮影)

 これが記事ではないかもしれないと思って書くのは、初めてかもしれません。

 ただ、直接、会えなくて、届いてほしいと思って、まずはここに書いてみます。

 どれだけ新型コロナウイルスの影響が長引くか、見通しが立ちません。

 特に、沖縄県は、15日までと言っていた独自の緊急事態宣言を2週間、延長する方針です。

 歓楽街の松山はクラスターが発生したので、営業自粛で街は閑散としています。

 夜の世界で働くキャストのみんなに、手元のお金の確保と身の安全を優先して、公的なお金に頼っていいということをとても伝えたいです。

 夜の世界で働く友だちや、取材で会った風俗業界の女の子は、なかなか社会から見えづらくて、いないように扱われてしまって、制度からこぼれ落ちてしまうことが多々あります。

 みんなもきっと、「給付金をもらったら?」と言われても、書類をそろえるハードルがあまりにも高いし、職業を言い出しにくかったり、自分にはもらう資格がないと思っている人もいると思います。

 那覇市の歓楽街のクラスターだけど、働いてる女の子たちは身元がバレるのが怖くて、遠くから働きに来ている子も多いから、どうやって探し出したらいいのか、見当がつきませんでした。

 でも、みんなも給付金をもらえる権利はあるから、どうか、命と生活を守ってほしい。

 ラジオでみんなが使える制度について発信している糸数温子さんと、どうしたらいいのかまとめました。

 自分に当てはまるか、読んでみてもらえませんか。

 給付金は、返さなくていいお金のことです。

(1)10万円はもらえた?

特別定額給付金10万円の申請が8月中までで締切迫ってる!!!!(←これ大事)

那覇市は8月25日までです。

申請書のほかに本人確認(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)と銀行の口座(通帳やキャッシュカード)があれば、受け取れます。

沖縄県内の市町村の〆切(市町村ごとに〆切が違う!)

 https://kyufukin.soumu.go.jp/doc/47_okinawa.pdf

総務省 特別定額給付金の詳細

 https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/

電話は、特別定額給付金コールセンター

0120-260020

(2)家賃の支払いが心配なら

 家賃は払えそうですか。

 やむを得ない休業で、収入が減っている人に向けて家賃に充てられる「住居確保給付金」というものもあります。

 この申請には、今の苦しい状況になる前から、あなたが生計を維持していたかどうかを確認する要件があります。(1)の特別定額給付金のお知らせが自宅に届いていたら、あなたが「世帯主」になっているので、「住居確保給付金」の申請もできるようになります。

 もし、届いていなければ、世帯主ではない可能性があります。市役所に行って住民票を取り寄せれば、自分の住所がどこに登録されているのか、誰が世帯主になっているのかを確認することができます。

 

 住居確保給付金

 https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/index.html

 お住まいの地域から住居確保給付金の申請・相談窓口を探す

 https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/counter.html#city

 例えば、那覇市にお住まいなら「那覇市 就職・生活支援パーソナルサポートセンター」というところがあります。

 那覇OPAと同じビルにあります。

 http://psokinawa.jp/index.html

 この先、家賃が払えなくなるかもしれない不安がある方は、まずは早めに相談を!

(3)本当に切迫していませんか? 

 緊急性が高い場合、生活保護の申請を検討してみませんか。生活状況の調査などはありますが、申請が受理されてから早ければ2週間ほどで生活保護が受けられます。

 沖縄県内の生活保護の申請・相談等窓口

 https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/fukushi-nan/hogo/seikatuhogonosinseisoudantoumadoguchi.html

 ここまで、「手元のお金の確保」で、すぐに申請できることを紹介しました。

 ほかにも、使える制度はあるけれど、たくさんありすぎて、それぞれに使える制度やお金が違うから、きょうはここまでにさせてください。

 いま、誰がどんな風に使えるのか、伝えたくて、整理しているので、またみんなに伝えたいと思っています。

 例えば、こんなことに当てはまる場合は、色んな給付金や制度が使える可能性があります。

 お店に「今日はお店閉めるから」とか「今日は休んで」と言われてませんか?

 熱が出たりして大事を取ってお仕事を4日以上休んでいませんか? 

 お店でクラスターが発生していませんか?

 生活を支えるための支援一覧はこちらです。

 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622924.pdf

 生活全般の困りごとについて、ひとりで調べて申請するには、どこから手をつけていいか分からないという方は、「自立相談支援機関」を利用することをオススメします。ここで、生活の不安や今の状況の相談に乗って、いっしょにプランを考えてくれます。

 もう一度、載せます。

 那覇市にお住まいなら、「那覇市 就職・生活支援パーソナルサポートセンター」

 http://psokinawa.jp/index.html

 その他、全国各地にお住まいの地域の自立相談支援機関はこちらから検索できます

 https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/counter.html

 

 

 最後に、いつの日か乗ったタクシー運転手のおじさん。

 コロナの影響でお客さんも減ってるし、感染も怖いから少し休みたいと言ってるけど、会社が休ませてくれない、でも給付金の申請を会社がやってくれるわけでもない、と言ってたよね。おじさんも給付金もらって休んでほしいよ。

 

 給付金が働く人のインセンティブになっていない状況に、立ちすくんでしまいそうになるけれど、届きますように。

沖縄タイムス デジタル編集委員

1982年那覇市生まれ。2007年沖縄タイムス社入社。こども新聞、社会部(環境、教育などを担当)を経て2014年から現職。2015年、GIS沖縄研究室研究室、首都大学東京渡邉英徳研究室と共同制作した「沖縄戦デジタルアーカイブ」が文化庁メディア芸術祭入選など。 2019年3月、首都大学東京システムデザイン研究科卒業。大学在学中から、若者文化を研究し、著書に2008年「若者文化をどうみるか」(アドバンテージサーバー)編著など。

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