ライダーに朗報! 自動二輪が「駐禁」対象から外され、駐車場増設の動き 警察庁が通達

ライダーにとって二輪用駐車場の少なさと駐車違反の問題は悩みの種だった(筆者撮影)

 4月16日、バイクユーザーにとって、嬉しいニュースが入ってきました。

 警察庁はこの日、全国の都道府県警に向け、「自動二輪車等に係る駐車環境の整備の推進について」という通達を出したのです。

 その内容を簡単にまとめると、

1)二輪車の駐車場を増やしていきましょう

2)駐車場の有無や交通状況に応じて二輪車の駐車違反の規制を廃止したり、時間制限を変更したりするなど、見直しを検討しましょう

3)必要があって二輪車も駐車禁止にしている場所では、取り締まりの扱いは変更しません

 というものです。

 実は今から12年前(2006年)、道路交通法と駐車場法が改正され、駐車監視員制度の導入が始まりました。その頃から、特に自動二輪車への取り締まりが厳しくなり、ほんの少し道路わきに停めただけで、駐車違反の切符を切られてしまうライダーが続出しました。

 しかし、そもそもバイクを停める場所を街で探しても見つからないのですから、どうしようもありません。

「じゃあ、いったいどこに停めたらいいの……?」

 途方に暮れた人も大勢いたのではないでしょうか。

ヨーロッパでは二輪車用の駐車場が数多く整備されている(筆者撮影)
ヨーロッパでは二輪車用の駐車場が数多く整備されている(筆者撮影)

2006年は「取締りを積極的に!」

 ちなみに2006年3月に警察庁が出した「自動二輪車等に係る放置駐車違反の取締り等について」という通達文には、

『二輪車の放置駐車違反は、歩行者の安全確保や高齢者、障害者等の移動の円滑化に支障をきたすほか、市街地の都市機能の低下、生活環境の悪化等につながるので、違反車両に対する取締り等に積極的に取り組んでいくことが従来にも増して重要となる』

 といった内容の文言が書かれていました。

 今回の「駐車環境の整備の推進」という通達とは、その内容も、トーンも、まったく変わっていることに驚いてしまいます。

バイク販売台数激減に駐車場問題が影響?

 昨年の夏、バイク販売台数がピーク時の9分の1に激減したというニュースにショックを受けた私は、

『バイク販売台数が9分の1に激減! (バイク歴ウン十年の)私が思うこと』という記事を書きました。

 ここでも触れたように、欧米と比較すると、日本は世界一のバイク生産国でありながら、バイク専用の駐車場の整備に力を入れてきませんでした。その上、狙い撃ちのように駐車違反切符を切られてしまうとなれば、バイクで出かける気力も失せてしまうのは当然でしょう。

 もっと早く、今回の通達が出せなかったのかと残念な気もしますが、これをきっかけに、全国各地にバイク用の駐車場が増え、再びバイクの楽しみを味わう人が増えればいいなあと思っています。

二輪車用の駐車場を表す標識(ドイツにて・筆者撮影)
二輪車用の駐車場を表す標識(ドイツにて・筆者撮影)

もうすぐGW、ツーリングに出かける前に二輪用駐車場のチェックを

 さて、間もなくゴールデンウィーク。バイクでのツーリングを予定している人もたくさんいらっしゃるでしょう。

 警察庁から冒頭の通達が出されたからといって、どこにでも停めていいというわけではありません。また、バイク用の駐車場がすぐに整備されるわけでもないので、観光地などを回る場合は、出発前にあらかじめリサーチしておくとよいでしょう。

 おすすめは、「一般社団法人 日本二輪車普及安全協会」のウェブサイトの中にある、「全国バイク駐車場案内」というコーナー。全国各地のバイク用駐車場を排気量別に調べることができます。

 そこで早速、「全国バイク駐車場案内」で、私の大好きな、京都・東山界隈を検索してみました。

(「日本二輪車普及安全協会」のウェブサイトより)
(「日本二輪車普及安全協会」のウェブサイトより)

 検索方法は簡単です。日本地図の中から目的地の都道府県を選び、次に出てくる画面で詳細な行き先をクリックすれば、その近辺にある駐車場が地図上に表示されます。

 有名な観光地では特に駐車場探しに苦労するので、事前に探しておくと安心ですね

 現在登録されているバイク用の駐車場は、全国に1万866か所ということでした(2018年4月18日現在)。

 また「日本二輪車普及安全協会」のサイト内には、『バイク駐車場、ここにつくって! 要望フォーム』というコーナーも用意されています。バイク用の駐車場をつくってほしいという希望がある人は、ぜひ書き込んでみてはいかがでしょうか?

 バイクはクルマより車体が小さく、駐車スペースもそれほど大きくありません。それでも、駐車する場合は細心の注意が必要です。

 たとえば、エンジンを止めたばかりのバイクはマフラーなどが非常に高温になっており、小さな子供が触れるとやけどをしてしまいます。また、安定の悪い場所に停めた場合、転倒する危険性もあります。なにより、他車や歩行者の危険を誘発しないことが一番大切です。

 バイクの駐車違反取り締まりの廃止や変更が検討されているからといって、それに甘んじず、安全を配慮しながらツーリングを楽しみましょう!

サイドカー付きの二輪車はクルマの駐車場に(オーストリアにて・筆者撮影)
サイドカー付きの二輪車はクルマの駐車場に(オーストリアにて・筆者撮影)

●以下、参考資料<警察庁交通局の通達より抜粋>

*詳細な内容を知りたい方はご覧ください。

『自動二輪車等に係る駐車環境の整備の推進について』(2018年4月16日)

1 駐車場の整備に向けた働き掛けの推進

交通の安全と円滑の確保を担う交通警察としても、自動二輪車又は原動機付自転車(以下「自動二輪車等」という。)が駐車可能な駐車場の整備は重要な課題であることから、自動二輪車等の駐車需要や地域の交通実態を踏まえ、地方公共団体、道路管理者、民間事業者等に対して、自動二輪車等の駐車需要が認められる場所において、既存路外駐車場における自動二輪車等の利用を可能とする設備等の整備や自動二輪車等が駐車可能な路外駐車場の新設が図られるよう働き掛けること。

また、市区町村に対して、自動二輪車等が駐車可能な駐車場の附置に係る条例の整備について働き掛けること。

2 自動二輪車等に配意した駐車規制の見直しの推進

自動二輪車等を対象から除外していない駐車禁止規制を行っている路線のうち、自動二輪車等の駐車需要が高いと認められるにもかかわらず、周辺に自動二輪車等が駐車可能な駐車場が十分に整備されていないものについて、一般に自動二輪車等の車体は四輪車と比べて小さいことを踏まえつつ、駐車禁止規制の対象から自動二輪車等を除外する見直しが可能かどうかを検討すること。また、当該路線の交通実態に応じて、駐車禁止規制の廃止、自動二輪車等を対象とする駐車可規制及び駐車方法の指定、自動二輪車等を対象とする時間制限駐車区間規制の実施等による見直しの可否についても検討すること。

なお、点検に当たっては、自動二輪車等の駐車需要がより高いと認められる路線及び歩車道の区別のある路線から優先的に点検を実施すること。また、駐車禁止規制の廃止又は変更を行うこととなった場合には、必要な道路標識等の整備を行うとともに、地域の実情に応じ、自動二輪車等の利用者に向けた広報を実施すること。

3 留意事項

本通達は、現に必要があって自動二輪車等を含む駐車禁止規制を実施している場所における自動二輪車等に対する交通指導取締りの取扱いを変更するものではないことに留意すること。