【ライヴ・レビュー】スティング/千葉・幕張メッセ7・8ホール 2019年10月9日

Sting / photo by 土居政則

2019年10月、スティングが“MY SONGS”ツアーで日本上陸を果たした。

ザ・ポリスとソロ・キャリアを合わせると40年以上に及ぶ栄光の軌跡を凝縮させたセルフ・カヴァー・アルバム『マイ・ソングス』を引っ提げての来日。 同作に収録された楽曲を中心とした、グレイテスト・ヒッツ・ライヴでファンを魅了した。

千葉・幕張メッセ7・8ホールで2日間行われた今回の首都圏公演。初日、10月9日(水)の会場は、開演前から心地よい熱気が漂っている。都内から距離があることから、開演時間は通常より遅い午後7時半となっていたが、性別も世代も幅広いファン達は早くから自分の席に着き、約2年ぶりに日本のステージに立つスティングを待ちわびていた。

幾つかの“主役”が降臨したこの日のライヴ。ひとつめの“主役”は、ヒット・ナンバーの数々だ。1曲目の「孤独のメッセージ」から、誇張でなく観衆は総立ちとなる。「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」「フィールズ・オブ・ゴールド」「ソー・ロンリー」「マジック」など『マイ・ソングス』収録の曲のみならず、ザ・ポリスの「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」「アラウンド・ユア・フィンガー」などが飛び出し、会場がどよめく。ライヴ本編のラストは「見つめていたい」で、フィナーレは「フラジャイル」という、ファンのニーズを100%以上のレベルで応えるライヴである。

もうひとつの“主役”は、そのステージ・パフォーマンスだ。ベースを弾きながら歌うスティングのツボを心得たプレイは、まさに絶妙である。UKパンク全盛期にデビューしたザ・ポリスが意図的にテクニックを抑えていたことは有名だが、スティングも元々はジャズ出身のベーシスト。だがそれにしても、ドミニク・ミラーとルーファス・ミラーのギター親子、ガンズ&ローゼズやナイン・インチ・ネイルズで知られるドラマー、ジョシュ・フリーズらを向こうに回しながら放つ“プレイヤー:スティング”としての腕前には目を見張らされる。

そしてもちろん、この日の真の“主役”はスティングの存在そのものだ。ロック界のスーパースターである彼ゆえ、ステージ上に立っているだけで観客の注目を一瞬たりとも外させないカリスマが漂っている。この日演奏された「マジック」の歌詞にもあるが、彼のすることすべてがマジックなのだ。

Sting / photo by 土居政則
Sting / photo by 土居政則

幕張2日公演を大成功に終わらせたスティングだが、それに続くゼビオアリーナ仙台公演は台風19号によって波乱含みとなった。当初は12日(土)予定だったのが急遽13日(日)に変更となり、JR在来線が運休(地下鉄は通常通り運行)という状況下でライヴが行われた。

15日(火)には丸善インテックアリーナ大阪でジャパン・ツアー最終公演が行われる。

音楽、演奏、そして存在感の三位一体。「見つめていたい」の歌詞を引用すると、スティングの“every move he makes”=一挙手一投足に釘付けとなるライヴは、“必見”という表現すらも控えめに思わせるものだった。

Sting / photo by 土居政則
Sting / photo by 土居政則

●2019年10月9日 千葉・幕張メッセ7・8ホール

1. Message In A Bottle

2. If I Ever Lose My Faith In You

3. Englishman In New York

4. If You Love Somebody Set Them Free

5. Every Little Thing She Does Is Magic

6. Brand New Day

7. Seven Days

8. Whenever I Say Your Name

9. Fields Of Gold

10. If You Can't Find My Love

11. Shape Of My Heart

12. Wrapped Around Your Finger

13. Walking On The Moon

14. So Lonely

15. Desert Rose

16. Every Breath You Take

(encore)

17. King Of Pain

18. Roxanne

19. Driven To Tears

20. Fragile

【公演公式サイト】

https://udo.jp/concert/Sting