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京都の梅の開花情報とお薦めスポット

山村純也京都の魅力を発信する「らくたび」代表
城南宮のしだれ梅(2021年2/25撮影)※以下の写真も全て著者が撮影

 今年は梅の開花が早く、先週末や2月23日の祝日には、梅の名所に多くの人出があった。今週末は満開を迎えることから、さらなる賑わいが予想される。そんな京都の梅の最新の開花情報と、現地ガイドならではの梅の名所のお薦めスポットを紹介。

 最初に挙げたいのが城南宮の神苑(源氏物語花の庭)の春の山(鳥羽離宮の遺構)に咲く150本の「しだれ梅」だ。満足度でいうと今や京都でナンバーワンといってもいい。紅白のしだれ梅がこれほどまとまって見られる場所は近隣にはなく、辺り一帯に花の香りが立ちこめる。春の山には立ち入ることができないので、人が写り込むリスクもなく、良好な写真が撮れる。周囲にはツバキも多く、落花したツバキとのコントラストも美しい。

タイトル画像とともに城南宮の春の山、ツバキとのコントラストが見事(2021年2月25日撮影)
タイトル画像とともに城南宮の春の山、ツバキとのコントラストが見事(2021年2月25日撮影)

 続いては大定番ではあるが北野天満宮の梅苑。50種約1500本の梅が楽しめる。老松さんのお菓子とお茶がついてくるのと、今人気の史跡御土居にも梅が咲き、歩くことができる。さらに梅苑中央には舞台が増設され、梅林を上から見下ろすこともできる。

北野天満宮梅苑を舞台の上より(2021年2月25日撮影)
北野天満宮梅苑を舞台の上より(2021年2月25日撮影)

北野天満宮の御土居の梅(2021年2月25日撮影)
北野天満宮の御土居の梅(2021年2月25日撮影)

 西の方では梅宮大社がおすすめだ。城南宮、北野天満宮より、参拝者はぐっと減るが、社名の通り、古くからの梅の名所で約35種450本の梅が境内全域に植えられている。

梅宮大社の神苑(2021年2月25日撮影)
梅宮大社の神苑(2021年2月25日撮影)

 中心部ではなんといっても京都御苑と二条城。御苑は約20種250本、二条城は「源平咲き分けの梅」など約130本、それぞれアクセスが良いのでお薦めしたい。

京都御苑の梅苑(2021年2月21日撮影)
京都御苑の梅苑(2021年2月21日撮影)

 2日前にいって楽しめたのが智積院の金堂裏の梅林。こちらは名所などで紹介されることはまずなく、さらに本堂裏側なので言われないと気がつかないかもしれない。金堂裏は紫陽花もたくさん植えられており、近年人気が出つつある。

智積院境内の金堂の裏手(東側)にある(2021年2月24日撮影)
智積院境内の金堂の裏手(東側)にある(2021年2月24日撮影)

 智積院に来たなら西側にある法住寺へ。後白河上皇の御所の名を継ぐ寺院で、守ってきた御陵も隣に面しており、境内には紅白同時に咲く梅としだれ梅も見事だった。

法住寺のしだれ梅、今週末が見頃か(2021年2月24日撮影)
法住寺のしだれ梅、今週末が見頃か(2021年2月24日撮影)

 この先、3月中頃には梅の最後を飾る隨心院の「はねずの梅」がお薦め。なんと今年は、「塞ぎがちな心にはねずの梅を愛でることで皆様の心に光明が潅がれんこと」(公式HPより)ということで、「無料公開」となる。以下の時期なのでぜひとも訪れてみたい。

今年は3月中旬には満開になりそう(2014年3月25日撮影)
今年は3月中旬には満開になりそう(2014年3月25日撮影)

梅園公開日時:令和3年3月8日(月)~31日(水) 9:00~16:00

通常非公開になっている本尊如意輪観音(重要文化財)の御開帳と限定の和歌朱印の授与もあるとのこと。

感染症対策を充分にした上で、ぜひ京都の梅を楽しんでほしい。

京都の魅力を発信する「らくたび」代表

1973年、京都生まれ。立命館大学在学中にプロの観光ガイドとして京都・奈良を案内。卒業後は大手旅行会社に勤務。2006年4月、京都観光を総合的にプロデュースする「(株)らくたび」を創立。以後、ツアープロデューサー、ツアー講師として活躍。2007年3月に「らくたび文庫」を創刊。現在、NHK文化センター、大阪シティーアカデミー、ウェーブ産経、サンケイリビング新聞社の講師、京都商工会議所の京都検定講師も務める。著書・執筆に『幕末 龍馬の京都案内』、『京都・国宝の美』、『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(コトコト)など。京都検定1級取得。

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