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落慶法要を迎えた青蓮院の青龍殿。お薦めのアクセス方法をご紹介。

山村純也京都の魅力を発信する「らくたび」代表
青蓮院の20年来の悲願であった青龍殿が完成

2014年10月8日に落慶法要を迎える青蓮院の青龍殿。絵画では国宝中の国宝とされる青不動を祀るために、以前からあった東山山頂の飛び地境内造営された。以前に北野天満宮前にあった大正期の建造物である「平安道場」を解体移築し、さらに国宝青不動を祀る奥殿を付随させた雄大なスケール。特筆すべきは前に広がる絶景の舞台。広さはなんと清水の舞台の4.6倍の広さを誇っている

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青不動の特別公開期間は10月8日より12月23日まで。この間にぜひ拝観されることをお薦めしたいが、問題はそのアクセス。現状マイカー以外では、青蓮院から出るシャトルバスか、タクシーが最も便利な交通手段となっている。そこで今回は、ずばり自分の足で登って向かってみた。プレス向け内覧会が公開に先立って10月3日にあったので、いい機会だと向かったわけである。

出発は、青蓮院の南隣りにある浄土宗総本山の知恩院。境内の山側にある除夜の鐘で知られる大釣鐘をスタートする。

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すぐに見えてくるのは、法然上人が浄土念仏の布教を行った「法垂窟」(ほうたるのいわや)である。

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熱心な参拝者なら、ここまでは訪れたことがあるかもしれない。ここからさらに山へ入っていく。道は概ね幅2メートルほどは確保されており、看板もあって1本道のため不安はない。階段ではなく、斜度は少しきつめの登り道が蛇行して続く感じであるが、15分もあるけば青龍殿が建てられた青蓮院の大日堂の緑の柵が見えてくる。気分的にはあっと言う間に大日堂の門に到着した感じである。ここまでゆっくり歩いても20分もあれば充分につく。今回は最短コースで登ったが、北側の粟田口方面からのルートも整備されており、こちらは約30分ほど。知恩院の聖地ともいうべき「法垂窟」を経由するこのルート、天候に問題なければぜひお試しあれ。

ちなみに舞台からの絶景はもちろん、もともと建てられている展望所からの眺めも素晴らしい。さらにこの期間は夜間ライトアップもされ、秋が深まると見事な紅葉も楽しめる。山麓の青蓮院では、この機会に行われた詳細な複写の青不動の展示もあり、平安時代の色鮮やかな青不動も拝観することができる。

京都の魅力を発信する「らくたび」代表

1973年、京都生まれ。立命館大学在学中にプロの観光ガイドとして京都・奈良を案内。卒業後は大手旅行会社に勤務。2006年4月、京都観光を総合的にプロデュースする「(株)らくたび」を創立。以後、ツアープロデューサー、ツアー講師として活躍。2007年3月に「らくたび文庫」を創刊。現在、NHK文化センター、大阪シティーアカデミー、ウェーブ産経、サンケイリビング新聞社の講師、京都商工会議所の京都検定講師も務める。著書・執筆に『幕末 龍馬の京都案内』、『京都・国宝の美』、『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(コトコト)など。京都検定1級取得。

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