Yahoo!ニュース

【速報】ナイキの「スーパー厚底」に鮮やかなオレンジの新色が登場!

山口一臣THE POWER NEWS代表(ジャーナリスト)
ナイキの「スーパー厚底」で日本記録を再更新した大迫傑選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

新型コロナウイルスのおかげで一般ランナーが参加できる大型大会が軒並み中止となり、なんとなく暗いムードただようマラソン界で一人気を吐いているのがナイキである。ナイキ史上最速のシューズといわれた「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」のニューカラーを発表したのだ。

アルファフライ ネクスト%は、シューズ前足部にむき出しのエアパッドを仕込み、ソールの中にはフルレングスのカーボンプレートを入れることで、それまで「ナイキの厚底」のフラッグシップだった「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」より強いクッション性と推進力につながる反発力を獲得している。

その実力は、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手が昨年10月にアルファフライの試作品を履いて非公式ながらフルマラソン2時間切りを達成したことで知られている。その約5カ月後には、市販モデルを着用した大迫傑選手(ナイキ)が東京マラソンで自身が2018年のシカゴマラソンで出した日本新記録を21秒更新し、東京オリンピックのマラソン男子日本代表を確実にしている。

[参考記事]「フルマラソン2時間切り」達成時のシューズ 業界騒然のナイキ「アルファフライ」、ついに市販へ

上のタイトル写真がその時のものだ。ベールを脱いでデビューしたナイキ史上最速のシューズは全体がブラックでソールとアッパーにほどこされたスウィッシュ(ナイキのシンボルマーク)がグリーンで、見るからに強そうないで立ちだった。

今回発売された新色は「ブライトマンゴー」といって、鮮やかなオレンジに近い赤だ。新色発表のメディアセッションに参加した東京オリンピック、マラソン女子日本代表の鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)は、「私はもともと暖色系が好きなので、この色のシューズなら自然とモチベーションが上がってきます。テンションも上げやすい」と語っていた。

モチベーションが上がる鮮やかなオレンジ色(写真提供:NIKE)
モチベーションが上がる鮮やかなオレンジ色(写真提供:NIKE)

同じくメディアセッションに登場した大迫選手も、「カラー的には爽やかで、好きな色です」と気に入ったようすだ。アルファフライの性能面についても「ネクスト%と比べて、アルファフライはズーム エアが搭載されたので、反発力が一段と上がった感じがしました。地面を叩いた分、跳ね返って、ロスが少ない。レース後半でも脚が残る感じです。東京マラソンの時も35km付近からペースが上がったのですが、うまく対応できました」と満足そうだ。

(写真提供:NIKE)
(写真提供:NIKE)

新色発表のメディアセッションでの大迫選手の話を聞いて、改めて、アルファフライは究極の「速く走るためのシューズ」なのだと認識を強くした。というのも、あの大迫選手が「このシューズ(アルファフライ)は本当にスピードを出したいときに履く、大事な試合のためにとっておきたいシューズだ」という趣旨のことを繰り返し言っていたからだ。

値段が高くてもったいないからという意味ではない。普段は、ナイキでいうとペガサスターボやアルファフライの練習用として発売された「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」、あるいは素足に近いフリーといったシューズで練習をして“自力”をつけ、いよいよ本番というときに、このスーパー厚底を履くという話だった。つまり、本気で速く走りたいときにこそ履くきシューズ、つまり本当に速く走れるシューズだと言っているように聞こえた。

[参考記事]おやじランナーにもおすすめ? 練習から本番レースまで使い倒せる“ナイキの厚底”新モデル

写真提供:NIKE
写真提供:NIKE

ナイキはこのスーパー厚底を満を持してこの2月に発表し、8月にはそのトレーニング用としてテンポ ネクスト%を発表したばかり。相変わらず“攻めを続ける”印象だ。このニューカラーは、9月18日にメンバー限定で先行販売し、25日から一般販売されるという。

THE POWER NEWS代表(ジャーナリスト)

1961年東京生まれ。ランナー&ゴルファー(フルマラソンの自己ベストは3時間41分19秒)。早稲田大学第一文学部卒、週刊ゴルフダイジェスト記者を経て朝日新聞社へ中途入社。週刊朝日記者として9.11テロを、同誌編集長として3.11大震災を取材する。週刊誌歴約30年。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。2016年11月末で朝日新聞社を退職し、東京・新橋で株式会社POWER NEWSを起業。政治、経済、事件、ランニングのほか、最近は新技術や技術系ベンチャーの取材にハマっている。ほか、公益社団法人日本ジャーナリスト協会運営委員、宣伝会議「編集ライター養成講座」専任講師など。

山口一臣の最近の記事