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【Yahoo!ニュース 個人】6月の月間MVAとMVCが決定 #MVA #MVC

(写真:イメージマート)

■Yahoo!ニュース 個人、6月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選2本の記事と2本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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6月のMVA

■2025年には約675万人が認知症に 今月成立した「認知症基本法」で何が変わる?(市川衛)

筆者による受賞コメント:認知症の進行を緩やかにする薬がアメリカで承認され、話題になっています。しかし残念ながら現状の薬では認知症を治すことも、予防することもできません。だからこそ重要なのは「かかってはならぬもの」と遠ざけるのではなく、「かかっても幸せに生きられる」ものとする取り組みです。そのために必要な視点が盛り込まれた基本法の意図を知って頂ければと記事を書きました。協力頂いた栗田駿一郎さんに心からの感謝を捧げます。(市川衛

選出理由:6月に成立した「認知症基本法」について、識者へのインタビューという形式をとりながら法律の理念などを丁寧に深掘りした記事です。成立に至らなかった2019年当時の法案にも言及し、今回の基本法によって私たちの生活にどんな影響があり得るのかをはじめ、「予防」より「共生」に力点が移った背景など理念法として明文化した意味を、筆者ならではの深い知見に基づき解説しています。今後も患者数の増加が予測され、誰もが他人事ではない認知症に対して、いかに向き合うべきかを新しい法律を通じて読者に示してくれた1本です。

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■「いのち」を支えるためメディアができること 秋田魁が16年続ける自殺対策キャンペーン報道(山寺香)

筆者による受賞コメント:私は元新聞記者で、今は一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」広報官という立場で、メディアの皆さんと一緒に「自殺報道」について考えるための勉強会の企画・運営などに携わっています。2年前に記者から転職し、1年ほど前にYahoo!ニュース 個人のオーサー登録が叶い再び書く場を与えていただいてから、「自殺対策の組織の一員としての自分が、書くことを通して何ができるのか」、迷いながら試行錯誤してきました。今回選んでいただいた記事では、16年も続く秋田魁新報さんの真摯な取り組みを通し、メディアが持つ「生きやすい社会」を作る力を伝えたいと思って書きました。また、取材の中で私自身が感動し心震えた「言葉」を盛り込みました。秋田魁の皆さんが、記事を通して地域で自殺対策に取り組む人々を力づけ続けてきたように、私も誰かの力となれるような記事を書きたいと改めて思いました。このたびは、どうもありがとうございました。(山寺香)

選出理由:長らく自殺死亡率が全国で最も高いワーストの状態が続いてきた秋田県。対策により自殺率は半減しましたが、この記事では、地元の新聞社が16年前から取り組んできた自殺を減らすための報道を紹介しています。「書けば増える」などの懸念がある中、「自殺は個人の問題ではなく、社会の問題である」ことを伝え続け、自殺を語ることがタブー視されてきた地域に変化をもたらしたといいます。近年メディアでも「ウェルテル効果」に配慮した自殺報道が広がっていますが、それに先駆けて模索を続けてきた同紙の活動は他メディアの参考になりそうです。

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6月のMVC

■ウクライナ世論調査、政府の刷新「必要」73%…ゼレンスキー氏退任望む人は23%(読売新聞オンライン)の記事へのコメント(岡部芳彦)

筆者による受賞コメント:ロシア・ウクライナ戦争は500日を超えました。戦況や兵器などに関心が集まりがちですが、ウクライナ国内政治・政局もこの戦争の行く末を見ていく上で、欠かせない視点です。ウクライナ研究者としてそれについても今後もコメントさせていただき、皆さんの知見となればと思います。(岡部芳彦

選出理由:ウクライナの調査研究機関による世論調査の結果を報じる記事へのコメントです。これまでの傾向や調査結果の詳細を補足し、記事内のデータだけではわかりづらいウクライナ世論の実態を伝えてくれました。ユーザーの深い理解につながる、筆者ならではの解説です。

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■ワグネル創設者が「正義の行進」宣言 ロシア軍と武力衝突の可能性(毎日新聞)の記事へのコメント(JSF)

筆者による受賞コメント:MVC受賞を嬉しく思います。ワグネル反乱という大事件はロシア軍の南部軍管区司令部の制圧で急激に事態が緊迫しましたが、正規軍は迎撃せず離反は無いものの傍観していたという奇妙な推移でした。反乱は本格的な地上戦にならず政治的に決着しましたが、正規軍から大規模な離反・寝返りが無かったので戦力的にワグネル側に勝ち目無しとプリゴジン氏が判断したのでしょう。政治的な背景の説明は私の専門外ですが、装備や戦力的に出来る事と出来ない事の解説ならば行えるので、理解を深めるお役に立てるように心がけていきたいと思います。(JSF

選出理由:世界中に衝撃が走ったロシアの民間軍事会社「ワグネル」による武装蜂起。一報を受け、ロシア軍との戦力差という読者が気になるポイントをふまえて端的に解説・分析し、今後の展開をどのように注視するべきか理解を促したコメントです。深い解説などが少なく、読者が情報整理することが難しいタイミングに発信した価値ある1本といえます。

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