【Yahoo!ニュース 個人】2月の月間MVAとMVCが決定

(写真:アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、2月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC(Most Valuable Comment)」も選出しました。厳選5本の記事とオーサーコメント、筆者の受賞コメントをあわせて紹介します。

※※※

2月月間MVA

「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由(駒崎弘樹)

筆者による受賞コメント:「保育園落ちた、日本死ね」という魂の叫びにインスパイアされ、書かずにはいられなくなり書いたものが、何百万人という人に見られたのは、正直驚きでした。そしてムーブメント化し、与野党が保育士給与の引き上げを含めた、対策を検討することにつながっていったのは、大変嬉しかったです。発信によって、社会は変わるのだな、と改めて感じました。

駒崎弘樹

選出理由:表題の匿名ブログが掲載された翌々日に、専門家の立場から現状を伝え、データを用いて解説した記事です。冷静な反応とわかりやすい内容で、ひとつのブログが国会にまで届くきっかけのひとつとなりました。

※※※

『週刊文春』の「元少年A」直撃に本人が「命がけで来てんだろうな」と応えたことの意味(篠田博之)

筆者による受賞コメント:元少年Aというのは、人を殺しながら相応の処罰を免れ、更生を期待されて社会復帰を許された存在で、それに対して多くの人が疑問を感じているのは当然だろう。その意味では、少年法の理念が果たして現実社会にどのくらいの有効性を持っているかを、自らの存在で証明しつつある存在とも言える。だから彼の生き方や、罪を裁くとはどういうことかを、我々は真剣に議論しなければいけない。感情に支配されて彼をおいつめるだけでなく、社会的議論を進めるというのはどんなふうにすればよいのか。多くのことを考えさせられる事例だと思う。

篠田博之

選出理由:文春のスクープに一定の評価をした上で、報道する大義名分は何か、文春の今回の報道はそれに応えられているか、と改めて問題提起をしています。長年取材を続けている筆者ならではの深く重い問いかけです。

※※※

ムスリム女性「異なる人物像、独り歩き」 毎日新聞が陳謝、第三者機関で審議へ(上)※下とあわせて(楊井人文)

筆者による受賞コメント:このたびはMVAに選出いただき、ありがとうございます。本件は現在進行中ですので、引き続き進展があればご報告するつもりです。今回に限らず記者側の見立て・ストーリーに合わせて取材された側の発言が捻じ曲げられるケースは後を絶たないものの、多くの人があきらめ、泣き寝入りに終わっていると思われます。今後も、こうした見過ごされがちだった事案を拾い上げ、メディア側の言い分も聴きつつ公平に調査し、自律的な対応解決を促していきたいと思っています。

楊井人文

選出理由:報道する側の伝えたいストーリーに沿って取材執筆をする危険や、取材先の声に真摯に耳を傾ける大切さを感じさせてくれます。報道内容を検証するという一貫した姿勢も一連の発信を通じて伝わってきます。

※※※

ゼロックスで起きた”誤審”は、ビデオ判定の呼び水になるのか?(清水英斗)

筆者による受賞コメント:時代の流れは避けられないものですが、近年はテクノロジー礼賛が強すぎて、サッカーが歴史の中で元々持っていた価値観が、軽視されているのではないかと危機感を持っていました。その最たる例が、審判に関するものです。色々な見方を提示しなければならないと、一石を投じる文を書きましたが、それが評価されたことは大変嬉しく思います。

清水英斗

選出理由:ビデオ判定に関する賛否それぞれの意見を集め、記事そのものが議論の土台となっています。あわせて筆者自身の意見・立場を述べたキレのあるオピニオンです。

※※※

「先生が、絆なんだよ!伝統なんだよ!と言っていた」組体操事故の被害生徒が馳文科相に怒りの手紙(加藤順子)

筆者による受賞コメント:1年ぶりの受賞で、大変励みになります。今回掲載した怒りの手紙は、超党派の議員連盟が主催した勉強会後、呼びかけ人の議員を囲み取材をしていた折りに、被害生徒の母親が「馳大臣に」と突然差し出したものです。唐突だったので、私や多くのメディアは手渡す瞬間の画すら押さえられませんでした。あとで母親に聞くと、怪我の後遺症で書くことを辛がるお子さんが、母親のスマートフォンで手紙の下書きをしていたことがわかり、本人に再度確認をしてもらった上で掲載に至りました。母親は、政治主導で組み体操の高さ規制や事故報告の制度化が図られていく流れは歓迎しつつも、事故後に学校から受けた隠蔽等の対応の課題は依然として手つかずであるとしています。引き続き、学校事故・事件に関する事後対応の実相についても取りあげていく予定です。

加藤順子

選出理由:ケガをした子どもへの取材にもとづき、本人の了解を得て大臣への手紙を紹介、当事者の声を伝えています。「国や議員の動きが活発化したことで、学校管理下での事故をめぐる事後対応の構造的な問題が解消に向かい始めたかのように錯覚してはならない。」と警鐘を鳴らしています。

※※※

2月月間MVC

『年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化ならー衆院予算委・安倍首相』の記事へのオーサーコメント(不破雷蔵)

筆者による受賞コメント:元より報道は「分かりやすく、端的に、何より正しく伝える」が存在意義のはずですが、この原則が守られず、結果として間違った内容が周知されるケースが増えています。今件もその例に違わぬ事例でしたので指摘させていただきました。

不破雷蔵

選出理由:「報道された内容」がどんな意味を持つのか、一次情報に当たることでより深く理解できるという指摘です。常に多彩な情報を俯瞰し、分析してきた筆者だからこそのコメントでした。