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「みそきん」は、コンビニの定番商品となれるのか?

渡辺広明コンビニジャーナリスト/流通アナリスト
次男が食べ終えたカップ 筆者撮影

昨日の夕方、自宅に帰ると次男が、ヒカキンプロデュースの"みそきん"を食べていた。部活帰りのセブン-イレブンで偶然見つけて買えたらしい。

「他のカップラーメンと比べて格別に美味い」と食べていたので、どのあたりがと聞くと 「それは分からない」と。

私も食べたくなり慌てて近所の3店舗のセブン-イレブンを回るも時既に遅く全て売り切れで、前回に続き、凄い初速の販売力を見せつけられた。

HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン 278円(税込300.24円) は、36個(3ケース)が基本的には店に納品され、店頭から1日で姿を消している事となり、コンビニの即席麺は、コンスタントに週7個以上売れると売れ筋商品と言われるので、話題性先行の商品という側面はあれど、いかに凄い販売数かが分かるだろう。

大手メーカーの250円を超える高価格帯の即席麺新商品のセブン-イレブンの新商品の販売力は18個(1.5ケース)と業界関係者は言っており、その2倍の販売数と言う事にもなる。

次男が食べ終えた、みそきんの蓋カバー 筆者撮影
次男が食べ終えた、みそきんの蓋カバー 筆者撮影

一方、複数のコンビニオーナーにヒアリングしてみると、税込300円を超える商品は、味などが圧倒的に差別化され、リピーターがつかないと定番になるのは難しいのでは無いかとの見方もある。白味噌とにんにくの旨み広がる、やみつきな味わい

が、日本人の味覚に合うかが定番化のポイントかもしれない。

但し、日清の定番カップヌードルのコンビニの品揃えが、しょうゆ、シーフード、カレー、チリトマトに絞られている場合が多く、味噌味を選択したのは、メーカーの日清食品の意向はあれど、したたかな戦略となっているという考えと、反面、縦型のカップヌードル系の味噌味はコンビニでは定着しない味という、2つに評価が分かれています。

YouTuberやInstagrammerなど、インフルエンサーによる商品のオススメは、ヒット商品を作り出したり販売増の後押しになるケースが多々あります。

但し、過去インフルエンサーがプロデュースする商品は、ファミマ限定のホリエモンの会員制和牛専門店「WAGYUMAFIA(ワギュウマフィア)」が監修した「ポテトチップULTRA GARLIC」と「ULTRA HIGHBALL」や、ローソン限定のはじめしゃちょーの畑(野菜ミックス 野菜汁63%+果汁37%=100%)なども、新商品の初速販売は良いものの、コンビニでは定番化するまでには至らないのが現状です。

そんな中YouTuberの地位を日本で確率させたパイオンニアであるヒカキンがその流れを打ち破れるのか?が注目です。

一方、ローソンのGODIVAスイーツのように、定番では無く季節定番のような小出しの販売スタイルが、インフルエンサー商品の販売スタイルとしては向いてるのかもしれません。

みそきんを結局食べられていないので、とにかくなんとか1回は絶対食べてみたいと思っています。メルカリでは4倍以上の価格で転売ヤーにより高額転売されていますが、勿体なく買う予定が無いので、次回の再販を楽しみに待ちたいと思います。

※同時発売

HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌メシ

299円 (税込 322.92円)は、12個(2ケース)

コンビニジャーナリスト/流通アナリスト

渡辺広明 1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役として、顧問、商品開発コンサルとして多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。全国で講演 新著「ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた」「コンビニを見たら日本経済が分かる」等も実施中。

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