激辛カレーまん”に“痺れる担々麺” 外食監修のコンビニ食に「激辛」が多いワケ

ローソン 「トナリ監修 辛激タンメン」「つじ田監修 痺れる辛さ 担々麺」筆者撮影

 先日、デイリー新潮の取材を受け、コンビニ各社が販売する「外食監修」の商品についてコメントした(1月22日配信「コロナで増える外食「監修」のコンビニ食 元祖は26年前、あの料理人とのコラボ弁当」)

 主旨としては、コロナ禍での外食業界の不振により、「外食監修商品」の販売が加速している……という解説である。監修することにより、店にはロイヤリティ料の収入が見込めるためだ。

 取材にあたって調べていく中で、ふと気になったことがある。外食監修の商品には、「激辛」を売りにする商品が多いのだ。

 いまや定番化しているセブン-イレブンの「蒙古タンメン中本」監修のカップ麺や冷凍食品もそうした商品のひとつ。ローソンからは、カップ麺でのファンも多い「井の庄」監修の辛辛魚らーめんのチルド商品が、1月26日より発売される。

 これらの場合、実店舗でも辛いメニューを売りにしているので、監修商品を出すにあたって「激辛」になることは理解できる。興味深いのは、本来は「辛さ」を売りにしない店であっても、監修商品では「辛さ」をアピールするのだ。

ココイチ、つじ田、トナリも激辛

 今冬よりファミリーマートで販売されているのは「CoCo壱番屋監修 激辛!チーズカレーまん5倍」。通常の監修カレーまんの5倍の唐辛子を使った商品だという。おもえば昨年、監修のランチパックを発売した際も「カレー激辛」味だった。ココイチはどちらかといえば、大衆的な食べやすいカレーが売りのチェーンのはずである。それが監修商品では「辛さ」をアピールする方向にシフトしている。

 同じくカレーでいえば、昨夏、セブンで売られていた「銀座デリー」のホットチキンカレーは、やはり激辛のチルド弁当だった。実店舗では辛いカシミールカレーのファンもいるので納得しないこともないが、今は同店監修の「バターチキンカレードリア」が登場している。コンビニの食品のセオリーからいえば、万人受けする味のこちらを、まず、売るはずではないだろうか。

 この1月からローソンで売られているのは「つじ田監修 痺れる辛さ 担々麺」というチルド麺だ。「つじ田」といえば、濃厚な豚骨魚介系つけ麺が看板商品のはず。都内には2店舗、担々麺専門の店を出してはいるものの、やはりつじ田の王道の味ではないわけだ。

 同じくローソンで販売され、世の辛いモノ好きたちをうならせているという「トナリ」監修のカップ麺「辛激タンメン」もそうだ。トナリといえば、たっぷりの野菜を使ったタンメンがまず思い浮かぶ。先日、辛くないタンメンの監修カップ麺もローソンから登場したが、デリー同様、王道商品より先に「辛い」商品を売ったという点は、注目に値するだろう。

理由は「ブーム」と「差別化」

 私が思うに、監修食が激辛になる理由はふたつある。

 ひとつはシンプルに「激辛ブーム」という事情だ。浸透し過ぎてしまっているため、ピンと来る方は少ないかもしれないが、実は19年頃から「第4次激辛ブーム」が続いている。定期的に「四川フェス」といった食べ物イベントが企画されているし、小売業での2020年の香辛料の売り上げは対19年比で120%も伸びたという(昨年9月8日放送の関西テレビ「報道ランナー」より)。こうしたブームを、監修商品でキャッチするのは当然だろう。

 監修商品は、まず、もともとのその店のファンの購買が期待できる。あるいはファンでなくても、その店の存在を知っている消費者が、興味を引かれて手に取ることがあるだろう。そこに「激辛」とあれば、店を知らない、辛いモノ好きの関心も呼びこめる。監修商品を激辛とすることで、広くアピールすることができるのだ。

 もうひとつの理由は、やはり実店舗との差別化だろう。セブンで冷凍食品やチルド麺が売られている「一風堂」監修のラーメンと、実店舗のラーメンを食べ比べてみたことがある。やはり味には差があり値段で差別化できるとは思うのだが、とはいえ「一風堂を食べるのはカップ麺でいいや」と思う人もいるかもしれない。その点、監修商品が実店舗のメイン商品と異なる味であれば、きちんと「住み分け」が可能になる。実店舗のファンも、店にない味の商品であれば、興味をそそられるだろう。

 春までもう一息。激辛の監修商品を食べて、この冬を乗り切りたいものである。