芸能人と覚せい剤の犯罪心理学:覚せい剤所持でASKA容疑者逮捕報道から

覚せい剤、麻薬とは、どんなクスリか。覚せい剤にハマる人は、どんな人か。なぜ芸能人はたびたび逮捕されるのか。

■クスリ(覚せい剤、麻薬)のワナにはまる芸能人

また、大きな報道がされています。

人気アーティスト「CHAGE and ASKA」のASKAこと、宮崎重明容疑者(56)が、東京・港区のマンションで覚せい剤を所持していた疑いで、警視庁に逮捕された。

出典:ASKA容疑者、覚せい剤所持容疑で逮捕 自宅などを家宅捜索 フジテレビ系(FNN) 5月17日(土)

2009年8月には、「清純派」として人気があった女優が逃亡の末に出頭し、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕され、大きな騒動となった。07年10月には人気アイドルグループ「光GENJI」の元メンバーが、1999年8月には多くのヒット曲で知られたシンガー・ソングライターが、逮捕されている。

出典:<覚醒剤>過去にも人気芸能人逮捕 ASKA容疑者が所持 毎日新聞 5月17日

ASKA容疑者逮捕 CHAGE残念「まだ頭の整理つかない」スポニチアネックス 5月17

ASKA容疑者逮捕 疑惑報道から9カ月 一時は断念…地道捜査で物証:産経新聞 5月18日

<ASKA容疑者逮捕>東京地検に送検 警視庁毎日新聞 5月18日

■覚せい剤とは

覚せい剤とは、ヒロポン、シャブ、スピード、S(エス)などと呼ばれるもので、日本での薬物乱用問題で、一番良く聞く薬物で、「興奮系薬物」の一つです。

■覚醒剤と覚せい剤の違い

覚醒剤と覚せい剤。区別なく使うこもありますが。

「覚醒剤(かくせいざい)」とは、眠気が覚める覚醒作用のあるものという意味ですから、コーヒーに入っているカフェインも覚醒剤と言うこともできますです。もちろん、悪い意味ではありません。ですから、一般的には、カフェインやコーヒーを覚醒剤とは言いません。

覚醒作用のあるものの中でも、法律で規制されているものを、一般に「覚せい剤」と呼んでいます。

■麻薬とは

脳に作用する依存性のある薬物で、法律で規制されているものを、一般に麻薬と言っています。

■覚せい剤の作用

眠気が去り、元気になれるといわれますが、ただしクスリが切れたあとは、かえって激しい眠気、疲労感、抑うつ感、不快感が襲ってきます。

クスリが効いている間は、本人としては調子良く感じることもありますが、周囲から見れば奇妙な興奮状態と感じることもあります。

■覚せい剤の危険性

覚せい剤は、「精神依存性」がとても強い薬物です。一度覚せい剤を使うようになってしまえば、どんなに善人でも、意志の強い立派な人でも、覚せい剤を止めることができなくなってしまいます。

苦労の末に覚せい剤をやめた人が語ってました。もしいま目の前に覚せい剤が置かれたらがまんできるかどうかわからないと。いったん薬物依存になってしまえば、それほど強く恐ろしいのが、覚せい剤です。

覚せい剤を手に入る金を得るために犯罪を犯す人もいます。一度、二度と逮捕されれば、仕事を失い、家族や友人を失い、そのためにまたクスリに走ることになります。

サルを使った実験では、6千回レバーを押さないと覚せい剤が出ないようにした装置の前で、覚せい剤依存症になったサルは、一日中レバーを押し続けていました。

覚せい剤を使い続けると、幻覚、幻聴、妄想の症状がでます。自分がやられる被害妄想を持って、他人に被害を加えてしまう人もいます。暴力団の資金源になるという問題もあります。

文春が端緒に…直撃取材時「顔はむくみ、ろれつが回らなかった」スポニチアネックス 5月18日

■覚せい剤など薬物依存に陥る人々の性格

心理学の研究よれば、2つの性格タイプの人々がいます。

1 衝動性、攻撃性、過活動性、刺激希求性が高いタイプの人。

派手な人、乱暴な人、ユニークな人、激しい人、活動的な人、新しいこと、刺激的なことが好きな人々です。

2 神経症性、抑うつ性タイプの人

細かいことにこだわり、まじめで自分を責めるタイプの人です。悩み、苦しみを抱えている人です。

■芸能人と覚せい剤、麻薬

芸能人の中には、エネルギッシュで激しいタイプの人もいるでしょう。常に刺激を求め、新しいことを探し続けている人もいるでしょう。

その一方、華やかなステージの姿とは反対に、とても神経質な人もいるでしょう。芸能人の中には、子どもの頃は友達がいなかった、おとなしく無口だったと語る人もいます。にぎやかな芸能人の中にも、休憩中は楽屋で静かにしている人もたくさんいます。

ステージで拍手に包まれても、自分が上手く歌えたか、演じられたか、とても神経質に心配する人もいます。芸能界の浮き沈みは激しく、ハードな仕事をこなしながら、いつも緊張にさらされている人もいるでしょう。

芸能人の中には、上で書いた激しいタイプの人と、神経質なタイプの人と、両方がいるでしょう。あるいは、一人の芸能人が、激しさと神経質さの両方を同時に持っていることもあるでしょう。

有名になると、金目当ての人が近づいてくることもあるでしょう。クスリを売る人が近づいてくることもあるでしょう。芸能人の方々にとって、覚せい剤は大きな誘惑になることがあるでしょう。

■芸能人の社会的責任

芸能人は、私たちに夢を届けてくれます。だからこそ、大きな社会的責任があるでしょう。もちろん、あまりまじめすぎては面白みがありません。しかし、たとえば毒舌家の人ほど実は礼儀正しい善人だったりします。

昔であれば、多少反社会的な様々な行為も「芸の肥やし」と言われたかもしれませんが、時代は変わりました。

ステージでのユニークで自由なふるまいと同時に、実生活ではむしろ社会の模範となるような生活が求められるのが、現代の芸能人なのかもしれません。良し悪しのところはありますが、社会の目は厳しくなっているといえるでしょう。

夢を売るためには、しっかりした現実が必要なのです。

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芸能人と、覚せい剤、麻薬の心理学:薬物依存撲滅に向けて

麻薬・覚せい剤乱用防止センター - 薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ」

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東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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