今でしょ先生が語る「東大合格者3つの特徴」の心理学的解説

『いつやるか? 今でしょ!』 宝島社 林 修 著

今話題の「今でしょ先生」東進ハイスクールの林修先生が語る、東大合格3つのポイント。心理学的に考えるとどうでしょうか。

今でしょ先生 東大合格者にマザコンなど3つの特徴と指摘

これまでの講師経験から東大合格者には、次の3つの特徴が挙げられるという。 ●マザコン ●親から勉強しろと言われなかった ●完璧主義ではない 「母親が手をかけてきっちり育てているので、子供はそんな母親のことを大好きになるからマザコンになる。そして、親が子供のことをちゃんと見ているから、勉強しろなんて言わないのです。  できる子というのは、自分に自信があるので、できないことをできないと率直に認めて、得意科目をさらに伸ばすことを考える。

出典:NEWS ポストセブン 6月1日(土)

●マザコン

これは、悪い意味のマザコンではなく、「お母さん大好き」という意味でしょう。お母さん大好き、お父さん大好きと言える子は、幸福感の高い子どもです。幸福感が高ければ、将来に希望が持てます。自分に自信が持ています。目標目指してがんばれます。

自発的で積極的なやる気である「内発的動機づけ」の研究によると、内発的動機づけが高まるためには、「重要な他者」から受け入れられていることが必要です。つまり、お母さんから全面的に受け入れられ、愛されていると実感し、だからお母さん大好きといえる子は、やる気が高まる土台を持っていることになります。

脳は、ストレスに弱い臓器です。家庭の不和親子関係の軋轢が長く続くことは、良いことではありません。お母さんが大好きな子どもは、ストレスなく、のびのびと育ち、脳も健康的に発達することでしょう。

●親から勉強しろと言われなかった

「親が子供のことをちゃんと見ているから、勉強しろなんて言わない」という一言では、林先生のお考えは良くわかりませんが、実際に「勉強しろ、勉強しろ」とうるさく言わなくても、勉強するのでしょう。

もともと勉強好きなのかもしれませんが、親が上手に「環境」を整えているのでしょう。

スポーツ好き、つり好き、読書好き、そんな親がいる家庭は、それぞれスポーツやつりや読書が好きになりやすい環境になります。家庭内に道具がある、大人が楽しそうに語る、大人が活動している姿を見る、そして子どもを連れて行くでしょう。

勉強も同じです。知的好奇心が高まり、すっと勉強を始めやすい環境が整っているのでしょう。

受験を目指して親が子に勉強をさせたいと思ったときも、子どものことを良く見ているので、子どもに無理強いするのではありません。その子その子に合った、効果的な方法を考え出せるのでしょう。

内発的動機づけの研究によれば、無理強いや、子どもを操ろうとする露骨な態度は、かえって子どものやる気を奪います。「勉強しろ」とは言わない、強制感を感じさせない効果的な方法が取れるのでしょう。

脳は、ただ机に向かって勉強すれば発達するのではありません。「豊かな環境」が必要です。口うるさくなく、愛されている親は、きっと子どもに様々な経験をさせていることでしょう。

各地方で東大進学率ナンバーワンといった高校は、文化祭、体育祭も、見ごたえのあるものをやるものです。

●完璧主義ではない

「できる子というのは、自分に自信があるので、できないことをできないと率直に認め」ということです。「わかりません」「教えてください」「助けてください」「ごめんなさい」といったことが言える人、弱さを認められる人は、劣等感に負けない自信を持つ人です。そういうふうに言っても、自分のプライドが傷つきません。人にバカにされないことがわかっています。変な心配をしないのです。

心理学の「ヤーキース・ドットソンの法則」によれば、成功しなくてはならないと思い込みすぎるとパフォーマンスが下がることがわかっています。あせりすぎると、上手くいかなくなるわけです。東大に行く子達は、もちろんいい加減ではありませんが、不健康で逆効果になるほどの完璧主義ではなく、ほどよい緊張感ややる気を持っているのでしょう。

自信のない人は、自分も「やればできる」などと語りながら、それを言い訳にして、いつまでたってもチャレンジせず、行動しません。不健康な完璧主義に陥らず本当に自信のある人は、「今でしょ!」と言われて、今行動できるのです。

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  • 『いつやるか? 今でしょ!』宝島社 林修 著

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。

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